国立美術館では、平成18年度から、美術教育関係者を対象とした鑑賞教育のための研修を実施しています。教育普及事業の実践にあたる人材の育成や、地域における学校と美術館の連携を目的とし、例年、全国から教諭、指導主事、学芸員などが受講者として参加してきました。

16年目となる今年度は、4会場(東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、国立国際美術館、国立工芸館)での分散開催を予定していました。これは新型コロナウィルス感染状況を鑑み、密を避けるためにオンライン(講演など)とオフライン(グループワークなど)の双方を取り入れる計画でした。しかし2021年秋、感染の収束を見通せない状況のもと、すべてオンラインでの開催を決定し準備を進めることとなりました。

オンライン教材「鑑賞素材BOX」を用いての対話鑑賞やグループワークの実施という、本研修にとって初めてのオンライン双方向での開催は、受講者のみならず準備にあたったスタッフにとっても、将来の鑑賞教育のあり方についての大きな学びが得られた2日間でした。今年度は90名が参加しました。


指導者研修日程表と受講者の内訳

11月29日(月)
オンライン配信
9:00 受講者Zoom入室開始
9:30 開講式
9:50
[50分]
講演1
平田 朝一(文化庁参事官(芸術文化担当)付教科調査官/文部科学省初等中等教育局 教科調査官/国立教育政策研究所教育課程研究センター 教育課程調査官)
10:40 休憩
10:50
[80分]
グループに分かれてのオンライン対話鑑賞
12:10 昼食休憩
13:10
[150分]
グループワーク
(東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、国立国際美術館、国立工芸館の4会場のZoomに受講者が分かれてオンライングループワーク)
※適宜休憩10分×2回
15:40 休憩
15:55
[40分]
各9グループのファシリテーターから
グループワークについて報告
16:35
16:40
事務連絡
終了
12月5日(日)
オンライン配信
12:30 受講者Zoom入室開始
13:00 研修2日目のプログラム説明
13:05

[150分]
事例紹介
島口 直弥(浜松市教育委員会・浜松市美術館 指導主事兼学芸員)
武内 厚子(東京都写真美術館 事業企画課 普及係長)
河野 路(東村山市立南台小学校 主任教諭)
前之園 礼央(鹿児島大学教育学部附属中学校 教諭)
14:45 休憩
14:55
[30分]
ブレイクアウトルームに分かれての感想共有
15:25 休憩
15:35
[50分]
講演2
神野 真吾(千葉大学教育学部 准教授)
16:25 休憩
16:35
[30分]
ブレイクアウトルームに分かれての感想共有
17:05 ふりかえり
17:10
17:15
閉講式
終了

令和3年度 職種別研修者数

区分 修了者数 受講決定者数
教諭 49名 52名
学芸員 22名 22名
指導主事 16名 16名
全体 87名 90名