Social Story国内3つの美術館版制作へ協力

左上:岐阜県美術館、右上:東京都美術館(撮影:井出大)、左下:横浜美術館(撮影:新津保建秀)、右下:国立アートリサーチセンター
国立アートリサーチセンターのラーニンググループでは、設立当初より誰もが文化体験にアクセスできることを目指し、アクセシビリティ事業の一環として、Social Story(ソーシャルストーリー)の普及促進を行なってきました。
令和6年度には、岐阜県美術館・東京都美術館・横浜美術館3館のSocial Story制作に協力をしました。
国内3つの美術館のSocial Story
3つの美術館のSocial Storyは、国立アートリサーチセンターによる「Social Storyはじめて美術館にいきます。」のデザイン・フォーマットの提供と監修の下、各美術館と協働して制作されました。
3つの美術館のページURL一覧
各美術館ウェブサイトのページURLから見ることができます。
岐阜県美術館
利用案内>バリアフリー>岐阜県美術館Social Story(ソーシャルストーリー)
https://kenbi.pref.gifu.lg.jp/visitor/visitor_accessibility/
東京都美術館
アクセス・利用案内>バリアフリー・アクセシビリティ情報>初めての場所が不安な方へ
https://www.tobikan.jp/guide/barrierfree.html
横浜美術館
訪れる>乳幼児・バリアフリー>さまざまな方が安心して美術館を楽しむために
https://yokohama.art.museum/visit/accessibility/
制作協力に携わったメンバー
各館の編集・制作 東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)、横浜美術館、岐阜県美術館
監修・製作協力 国立アートリサーチセンター ラーニンググループ
進行管理 林 亜華音
専門家アドバイス 橋口 亜希子(株式会社Bridges to Inclusion)
Social Storyとは
NCARウェブサイトの下記ページURLにて詳しく書かれています。
D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)>アクセシビリティ>ソーシャルストーリー
https://ncar.artmuseums.go.jp/activity/d_and_i/accessibility/
全国の取組みを紹介
全国のミュージアムにおいて、Social Storyを含め、主に発達障害のある人の特性に対応したセンサリーフレンドリーな取組みが広がっています。以下に全国のミュージアムで公開されている取組みを紹介します。
3種類の取り組み一覧
施設名とそれぞれの情報をクリックすると、各施設のウェブサイト(外部サイト)へ移ります。
見通しを立てるために、場所等を紹介するツール
・三重県立美術館「ソーシャル・ガイド」
・葛西臨海水族園「移動水族館ソーシャルストーリー」
・徳島県立近代美術館「イテミヨ」
・上野動物園 子ども動物園すてっぷ「ソーシャルストーリー もっと しりたい もるもっと」
感覚に過敏がある人のために、音や光に関する情報をまとめた地図
・東京国立博物館「センサリーマップ」
・上野動物園「センサリーマップ」
・埼玉県立川の博物館「センサリーマップ」
・埼玉県立川の博物館 音などに敏感な人が静かに過ごせる時間帯を設ける「クワイエットアワー」
カームダウンやクールダウンを必要とする人のためのスペース
・九州国立博物館「あんしんルーム」
九州国立博物館では、上記の見通しを立てるツール「あんしんガイド」と、音や光などの情報を地図上にまとめた「あんしんマップ」のいずれも制作しています。
・兵庫県立人と自然の博物館「ケアルーム・ケアスペース」
ミュージアムをまだ利用したことがない人や、利用することに不安を感じる人に対し心理的障壁を下げ、さらにはミュージアム側にとっても安心して迎えるための基盤整備となるのが、Social Storyという社会学習ツールであると認識しています。
国立アートリサーチセンターでは、より多くの人が安心してミュージアムを楽しむことができるよう、今後もSocial Storyを含めセンサリーフレンドリーな取り組みに関する調査研究を続け、全国のミュージアム展開に向けた情報発信を行なっていきます。