解説
ラーニング・チャンネルのロゴ。
解説
BGMと同時にプログラムのハイライトが流れる。
東京国立近代美術館の展示室。
手をつないだ親子たちが、作品を見ながら進む。列の一番後ろの子どもが作品を指さし、父親のほうを向く。
別の子どもが、カードを手に歩いてくる。
解説
髪をふたつに結んだ子どもが指を指しながらガイドスタッフの質問に答える。
ガイドスタッフ
「何を見つけた?」
髪をふたつに結んだ子ども
「顔!」
解説
館内に響く、参加者の声。
母親
「わあ。見えた?」
解説
白いスモックを着た子どもが、笑顔になる。つないでいた手を離し、作品に歩み寄る。
解説
大きな絵画の前に座る5組の親子。
ガイドスタッフがボードに貼られた色チップを見せながら、同じ目線で話をする。
ガイドスタッフ
「この中から、絵の中にあった色を見つけてください。」
Tシャツを重ね着した子ども
「オレンジ。」
解説
作品を見て回る参加者の親子たち。
ガイドスタッフ
「これはどうですか?あ、はい。」
解説
髪を1つに結んだ子どもが元気よく手を挙げ、黄土色の岩壁のような作品の前に立つ。
髪をひとつに結んだ子ども
「ぼろぼろ。」
ガイドスタッフ
「ぼろぼろ。確かに。」
解説
子どもが、にっこりと笑みを浮かべる。作品は、大きな四角い板を埋め尽くすようにの上を、手でちぎったような形の異なる大小のコルクで埋め尽くしたが積み重ね、層を作ったもの。コルクの端の部分は空気に触れて縮んだり、ゆがんだりしている。
解説
吹き抜けの部屋。
黒い壁に、いろいろな白い直線や弧状の線が引かれ、さまざまな形を作っている。
ガイドスタッフ
「一緒に描いてみようか。」
解説
ガイドスタッフが人差し指を壁のほうに向ける。子どもが、空中で壁の線をなぞる。
テロップが表示される。
「東京国立近代美術館のおやこでトーク」「おやこ」は、ひらがな。
解説
ロビーで、ガイドスタッフの周りを十数組の親子が囲んでいる。
茶色いシャツを着たガイドスタッフ
「初めて、美術館のお友だちは?ようこそ。」
解説
手を挙げた子供に手を振り、お辞儀する。
ガイドスタッフ
「ガイドスタッフのみなさんと、3カ所の作品を見ます。」
解説
子どもも大人も、緊張した様子で話を聞いている。
えんじ色のニットを着た母親
「初めてなんです。」
解説
手をつないでいるチュニック姿の子どもが、唇を尖らせる。
母親
「どういう反応をするのか、ちょっと分からないんですけど。」
黒いシャツを着た父親
「自由に、こっちが、親が、『こうだよね』とか言わずに。」
解説
丸襟ブラウスの子どもは、緊張した様子でキョロキョロ。
父親
「何を感じるか、逆に聞いてみたいなと思ってます。」
解説
展示室の前入口。
胸にシールを貼った黄色チームグループが集まる。首に黄色いバンダナを巻き、メガネをかけたガイドスタッフから注意事項を聞く。
ガイドスタッフ
「歩く時は、白い線とかに、ちょっと気をつけてね。じゃあ、どんな作品かな?行くよ?」
解説
ガイドスタッフを先頭に、参加者が付いていく。
吹き抜けの部屋に入る。左側は、に一面大きな窓がありある明るい空間。
ガイドスタッフ
「どう?ここ、お部屋全部が、作品なの。いろんな線があるのが、分かるかな?」
解説
窓以外は三面黒い壁で、同じ太さの白い線がたくさん引かれている。半円や直線、フリーハンドの線が、部屋中を覆い尽くしている。
入り口の横の壁に4行にわたる作品名「《ウォール・ドローイング#769。黒い壁を覆う幅36インチ(90センチ)のグリッド。角や辺から発する円弧、直線、非直線から二種類を体系的に使った組み合わせ全部。」》が英語で書かれている。
その下に、16種類の曲線や直線が並び、それぞれに番号が振られている。
その下に、2分のと1、12分のと1など日付のような数字が並ぶ四角い表があり、120通りの線の組み合わせを示している。
ガイドスタッフ
「じゃあ、ここにあるいろんな線をまねっこして、空中に描いてみよう。みんなで。グーニョ、グニョ、グニョ、グニョ。」
解説
ガイドスタッフが右手を大きく動かし、線をなぞってみせる。
ガイドスタッフ
「クニュッ。クニュ、クニュ、クニュ、クニュ。」
解説
グレーのカーディガンを着た母親が、ガイドスタッフの声に合わせて指を動かす。おかっぱ頭の子どもも、つられて真似る。
ガイドスタッフ
「クニュ、クニュ、クニュ、クニュ。」
解説
チェックのワンンピースを着た母親が、ガイドスタッフと一緒に指を動かす。横にいる髪をふたつに結んだ子どもは、周りを見回しキョトンとした顔。
ガイドスタッフ
「グイーン。」
解説
黒いシャツの父親が手を動かし、丸襟ブラウスの子どもは、空中に線を描いている。ガイドスタッフの声に合わせ、ふたりそろって、半円を描くように大きく腕を回す。
ガイドスタッフ
「そうそう、ありがとう。」
解説
親子が同時に手を下ろす。
ガイドスタッフ
「ひとつミッション。おうちの人と相談して、一番長ーく線が続いているところを、探してみてください。」
解説
壁には格子状に引かれた薄く書かれたマスの中にそれぞれのパターンの2本ずつ線が描かれ、隣り合う線のつながりによって幾何学な図形が生み出されている。
作品を見上げると、側面の壁の上部には大きな窓があり、上の階からも部屋が見下ろせるようになっている。
ガイドスタッフ
「縦かもしれないし、横かもしれないよ?」
解説
チェックのワンンピースを着た母親と一緒に、髪をふたつに結んだ子どもが指を動かし始める。壁の一点を指さし、目を輝かせる。
ショートヘアの母親
「あの線、お魚みたいだよ。」
白いスモックを着た子ども
「葉っぱも見えた。」
母親
「葉っぱも見えた?」
解説
体をくっつけた親子が、上の方を指さしながら話している。
ショートヘアのガイドスタッフ
「せーの、グニューン。」
解説
ガイドスタッフと一緒に、おかっぱ頭の子どもが、下から上に線をなぞり、高くまで腕を伸ばす。
ガイドスタッフ
「うわぁ、すごいよ!」
解説
子どもが手を止め、上の方をじっと見つめる。
ガイドスタッフ
「コニョ、コニョ、コニョ、コニョ。」
解説
ストライプのワンピースを着た子どもが、ポニーテールのガイドスタッフと一緒に、弾むように手を動かす。
ガイドスタッフ
「来た!おー、 すごい!上から下まで行ったね!」
解説
拍手を送るガイドスタッフに、子供が嬉しそうな顔を見せるキョトンとした顔を向ける。
解説
別の展示室に水色チームを歩く青グループ。
ボブヘアのガイドスタッフ
「ぐるーっと、回って。」
解説
BGMが切り替わる。
ガイドスタッフが参加者を誘導する。親子たちが、壁の絵画を見ながら歩いてくる。
ガイドスタッフ
「くるっと見ると、どう?あっちに、すごい大きな作品が。」
解説
指さす先に、1枚の大きな絵画。桑の木の下に佇む、2人の女性が描かれている。
ガイドスタッフ
「すごい、いんな色が、使われた絵だね。じっくり見て、何色があるか、おうちのかたにお話ししていただけますか?」
解説
5組の親子が床に座り、絵を眺める。子どもたちは、それぞれ色違いのクッションに座り、すぐ後ろに親が腰を下ろしている。
ベージュのカットソーの子どもが、まじめな顔で絵を見つめる。
後ろにいるデニムを履いた父親が、顔をのぞき込む。
肩にフリルのついた服の子ども
「あそこ。」
黒のカットソーを着た母親
「あ、下?地面?」
解説
子どもが絵に指を向け、母親が同じほうを指さす。
チュニックの子ども
「あの黄色。」
えんじ色のニットを着た母親
「黄色。確かに、確かに。」
解説
感心したようにつぶやく母親。子どもは少し得意げな表情をして、まばたき。
子どもたちの発表が始まる。
チュニックの子ども
「緑。」
ガイドスタッフ
「緑色。はい。この色を見つけてくれました。」
解説
手にした色チップがマグネットで貼られたボード。から、25色ある中から緑色の色チップを選んで一同に見せる。ボードには、25色の色チップが、マグネットで付いている。
ガイドスタッフ
「どの辺に見つけて下さったかな?」
子ども
「上の、真ん中の木。」
ガイドスタッフ
「ああ、上の真ん中の木?」
子ども
「草のところ。」
ガイドスタッフ
「いっぱい使われてるね。」
解説
作品は、太田喜二郎の『《桑つみ』》。
桑の木の下に佇む2人の女性が描かれている。白いほっかむりと白い足袋、濃い色の着物姿に赤いたすき。ひとりは、桑の木に手を添えて、オレンジがかった肌にほほ笑みを浮べている。もうひとりは、背負い籠にを下ろして、青々と光る桑の葉を詰めている。明るい陽射しが色鮮やかに描写された、点描風の作品。
解説
他の展示室に移動する。部屋の真ん中で、セミロングのガイドスタッフが両手を挙げる。
ガイドスタッフ
「みなさん、この辺にお集まりください。」
解説
BGMが切り替わる。
広々とした部屋の壁には、様々な作品が並ぶ。色とりどりの原色の線が勢いよく混ざり合う絵。黄色の背景に一本の縦線が引かれた絵。オレンジ赤色の球体が集まっているような絵。コルクを張り合わせて作った絵のような作品や、大小さまざまな円形の鉄線が組み合わせられたう、鉄でできた立体もある。
ガイドスタッフ
「なんか気になるなぁっていう作品を、選んでください。その作品に、ぴったり合うなぁ、いいな と思うカードを選んでください。」
解説
親子に配られた小さなホワイトイスの上に載せられたボードには、カードが貼りつけら置かれ、ひらがなでオノマトペが書かれている。「がさがさ。」「もりもり。」「もくもく。」「がたがた。」「ほろほろ。」「かちかち。」「ぐんぐん。」「ぷかぷか。」など、二十数種類が並ぶ。
解説
親子ごとに分かれる参加者たち。
鉄線を使っでできた立体の前。
作品越しに、顔を寄せ合う親子が見える。メガネをかけた子どもとショートボブの母親が、作品の上のほうを指さし、小声で相談。ホワイトボードを置いたベンチに移動する。
母親
「ペラペラ?」
子ども
「ペラペラじゃない。」
解説
隣の親子。黒いパーカーの父親が、Tシャツを重ね着した子どもが選んだカードを見る。「こっちじゃない?」というふうに、別のカードを指さす。
別の親子。
黒いカットソーの母親が顔をくしゃくしゃにして笑い、肩にフリルのついた服の子どもがニコニコする。手には握りしめたカードが1枚。
解説
子どもたちの発表が始まる。
黄色い絵の前に、ベージュのカットソーの子どもとデニムを履いた父親がくる。その周りに参加者が集まる。
ガイドスタッフ
「はい、この作品。どんな言葉を選んだかな?」
子ども
「もこもこ。」
ガイドスタッフ
「もこもこ、なるほど。もこもこね。」
解説
寄り添う父親が、大きくうなずく。子どもが、ガイドスタッフにカードを見せる。
ガイドスタッフ
「この辺が もこもこして見えた?」
解説
絵を指さすガイドスタッフに、コクッとする子どもの横顔。
ガイドスタッフ
「はい、ありがとう。よく発表できました。」
解説
作品は、辰野登恵子の『《UNTITLED-28』》。
縦が約90センチ、横が約40センチの版画。背景は温かみのある黄色で、方眼紙のように黒い線が引かれている。その上に、灰色の筋が縦に1本。右上から左下に向かって、すーっと描かれている。筋は背景の黒い線より太く、影が付けられており、背景から浮いているように見える。
解説
大小さまざまな円形の鉄線が組み合わせられたう、鉄でできた立体作品の前に、みんなで移動する。
ガイドスタッフ
「この作品はどうでしょう。はーい。」
解説
メガネをかけた子どもを、ガイドスタッフが指名する。子どもが作品の横に立ち、カードを見せる。
子ども
「くるくる。」
ガイドスタッフ
「くるくる。くるくる、たくさんあるね。よく見てくれました。ありがとう。」
解説
ガイドスタッフから優しく背中を押され、はにかむ子ども。母親の元へ行き、しっかりと手をつなぐ。
作品は、青木野枝の『《雲谷 2018-1』》。
立体作品。異なる大きさの鉄の輪が、空間に円を描くように積み重なっている。底は広がり、上にいくにつれて細くなる形で、高さは約2メートル。近寄ってみると、輪の表面は赤茶けており、全体が錆びているのがわかる。鉄の重厚な印象を持ちつつも、重力に逆らい空に伸びあがるような軽やかさが感じられる。
解説
色とりどりの原色の線が勢いよく混ざり合う伸びる絵の前。
Tシャツを重ね着した子どもが、元気よく手を挙げる。
子ども
「はい!」
ガイドスタッフ
「はい。はい。お返事よくできました。」
解説
選んだ絵の前に立つ子ども。2枚のカードを見せる。
子ども
「くねくねと、ばらばら。」
ガイドスタッフ
「くねくねと、ばらばら。うーん、 なるほど!くねくねしてるね、確かに。『ばらばら』は、どの辺が、ばらばらしてる?」
解説
迷わず一点を指さす、子ども。
ガイドスタッフ
「この辺?いろんなところを見てくれて、2枚選んでくれました。」
解説
子どもが、父親のほうを向き、ニコッとする。
作品は、田中敦子の『《作品66-SA』。》
縦が約190センチ、横が約130センチ。のキャンバスに描かれている。赤や青、緑など原色の線をいくつも重ねて形作られた円が、3つある。円からは線が流れ出るように描かれていて、絡み合いながら3つをつないでつながっている。近づいてみると、線は、流れた液体がそのまま固まったようにツヤツヤしている。盛り上がっていて、絵の具ではなくビニールの樹脂だとわかる。油絵の具ではなく樹脂塗料を使った、強烈な印象を与えるダイナミックな作品。
解説
展示室の外。
子どもたちが、笑顔でインタビューに答える。
Tシャツを重ね着した子ども
「楽しかった。作品を見るときが好き。」
肩にフリルのついた服の子ども
「楽しかった。」
解説
子どもが黒いカットソーの母と手をつないだまま、何度もジャンプする。母親の笑顔がこぼれ、二人の姿がスローモーションになる。
画面が真っ白になっていく。
クレジットが表示される。
「ギャラリートーク・アクティビティで取り扱った作品・展示室」
太田喜二郎 『《桑つみ』》 1916年
ソル・ルウィット 『《ウォール・ドローイング#769 黒い壁を覆う幅36インチ(90センチ)のグリッド。角や辺から発する円弧、直線、非直線から二種類を体系的に使った組み合わせ全部。』》 1994年
Courtesy the Estate of Sol LeWitt, Massimo De Carlo and TARO NASU Copyright the Estate of Sol LeWitt.
桂ゆき(ユキ子) )『《作品』》 1978-79年
田中敦子 『《作品66-SA』》 1996年 ©Kanayama Akira and Tanaka Atsuko Association
青木野枝 『《雲谷 2018-1』》 2018年
辰野登恵子 『《UNTITLED-28』》 1974年, 『《May-7-91』》 1991年
所蔵作品展「MOMATコレクション」(2023年9月20日-12月3日)
コレクションによる小企画『「女性と抽象』」(2023年9月20日-12月3日)」
「東京国立近代美術館の おやこでトーク」
4~6歳の子どもとその保護者がペアで参加するプログラム。ふたりでのコミュニケーションを大切にしながら、MOMATガイドスタッフ(解説ボランティア)と、作品の中の色・形を見つける、ことばと作品をつなげる、身体を使って表すなどのアクティビティを通して、作品との出会いを楽しみました。
主催 東京国立近代美術館
撮影日 2023年10月28日・29日
映像制作 メディア・メトル株式会社
©2024東京国立近代美術館」
解説
東京国立近代美術館のロゴ。
独立行政法人国立美術館 国立アートリサーチセンターのロゴ。
テロップ
「映像制作協力:国立アートリサーチセンター」
ラーニング・チャンネルのロゴ。
解説
BGMと同時にプログラムのハイライトが流れる。
東京国立近代美術館の展示室。
手をつないだ親子たちが、作品を見ながら進む。列の一番後ろの子どもが作品を指さし、父親のほうを向く。
別の子どもが、カードを手に歩いてくる。
解説
髪をふたつに結んだ子どもが指を指しながらガイドスタッフの質問に答える。
ガイドスタッフ
「何を見つけた?」
髪をふたつに結んだ子ども
「顔!」
解説
館内に響く、参加者の声。
母親
「わあ。見えた?」
解説
白いスモックを着た子どもが、笑顔になる。つないでいた手を離し、作品に歩み寄る。
解説
大きな絵画の前に座る5組の親子。
ガイドスタッフがボードに貼られた色チップを見せながら、同じ目線で話をする。
ガイドスタッフ
「この中から、絵の中にあった色を見つけてください。」
Tシャツを重ね着した子ども
「オレンジ。」
解説
作品を見て回る参加者の親子たち。
ガイドスタッフ
「これはどうですか?あ、はい。」
解説
髪を1つに結んだ子どもが元気よく手を挙げ、黄土色の岩壁のような作品の前に立つ。
髪をひとつに結んだ子ども
「ぼろぼろ。」
ガイドスタッフ
「ぼろぼろ。確かに。」
解説
子どもが、にっこりと笑みを浮かべる。作品は、大きな四角い板を埋め尽くすようにの上を、手でちぎったような形の異なる大小のコルクで埋め尽くしたが積み重ね、層を作ったもの。コルクの端の部分は空気に触れて縮んだり、ゆがんだりしている。
解説
吹き抜けの部屋。
黒い壁に、いろいろな白い直線や弧状の線が引かれ、さまざまな形を作っている。
ガイドスタッフ
「一緒に描いてみようか。」
解説
ガイドスタッフが人差し指を壁のほうに向ける。子どもが、空中で壁の線をなぞる。
テロップが表示される。
「東京国立近代美術館のおやこでトーク」「おやこ」は、ひらがな。
解説
ロビーで、ガイドスタッフの周りを十数組の親子が囲んでいる。
茶色いシャツを着たガイドスタッフ
「初めて、美術館のお友だちは?ようこそ。」
解説
手を挙げた子供に手を振り、お辞儀する。
ガイドスタッフ
「ガイドスタッフのみなさんと、3カ所の作品を見ます。」
解説
子どもも大人も、緊張した様子で話を聞いている。
えんじ色のニットを着た母親
「初めてなんです。」
解説
手をつないでいるチュニック姿の子どもが、唇を尖らせる。
母親
「どういう反応をするのか、ちょっと分からないんですけど。」
黒いシャツを着た父親
「自由に、こっちが、親が、『こうだよね』とか言わずに。」
解説
丸襟ブラウスの子どもは、緊張した様子でキョロキョロ。
父親
「何を感じるか、逆に聞いてみたいなと思ってます。」
解説
展示室の前入口。
胸にシールを貼った黄色チームグループが集まる。首に黄色いバンダナを巻き、メガネをかけたガイドスタッフから注意事項を聞く。
ガイドスタッフ
「歩く時は、白い線とかに、ちょっと気をつけてね。じゃあ、どんな作品かな?行くよ?」
解説
ガイドスタッフを先頭に、参加者が付いていく。
吹き抜けの部屋に入る。左側は、に一面大きな窓がありある明るい空間。
ガイドスタッフ
「どう?ここ、お部屋全部が、作品なの。いろんな線があるのが、分かるかな?」
解説
窓以外は三面黒い壁で、同じ太さの白い線がたくさん引かれている。半円や直線、フリーハンドの線が、部屋中を覆い尽くしている。
入り口の横の壁に4行にわたる作品名「《ウォール・ドローイング#769。黒い壁を覆う幅36インチ(90センチ)のグリッド。角や辺から発する円弧、直線、非直線から二種類を体系的に使った組み合わせ全部。」》が英語で書かれている。
その下に、16種類の曲線や直線が並び、それぞれに番号が振られている。
その下に、2分のと1、12分のと1など日付のような数字が並ぶ四角い表があり、120通りの線の組み合わせを示している。
ガイドスタッフ
「じゃあ、ここにあるいろんな線をまねっこして、空中に描いてみよう。みんなで。グーニョ、グニョ、グニョ、グニョ。」
解説
ガイドスタッフが右手を大きく動かし、線をなぞってみせる。
ガイドスタッフ
「クニュッ。クニュ、クニュ、クニュ、クニュ。」
解説
グレーのカーディガンを着た母親が、ガイドスタッフの声に合わせて指を動かす。おかっぱ頭の子どもも、つられて真似る。
ガイドスタッフ
「クニュ、クニュ、クニュ、クニュ。」
解説
チェックのワンンピースを着た母親が、ガイドスタッフと一緒に指を動かす。横にいる髪をふたつに結んだ子どもは、周りを見回しキョトンとした顔。
ガイドスタッフ
「グイーン。」
解説
黒いシャツの父親が手を動かし、丸襟ブラウスの子どもは、空中に線を描いている。ガイドスタッフの声に合わせ、ふたりそろって、半円を描くように大きく腕を回す。
ガイドスタッフ
「そうそう、ありがとう。」
解説
親子が同時に手を下ろす。
ガイドスタッフ
「ひとつミッション。おうちの人と相談して、一番長ーく線が続いているところを、探してみてください。」
解説
壁には格子状に引かれた薄く書かれたマスの中にそれぞれのパターンの2本ずつ線が描かれ、隣り合う線のつながりによって幾何学な図形が生み出されている。
作品を見上げると、側面の壁の上部には大きな窓があり、上の階からも部屋が見下ろせるようになっている。
ガイドスタッフ
「縦かもしれないし、横かもしれないよ?」
解説
チェックのワンンピースを着た母親と一緒に、髪をふたつに結んだ子どもが指を動かし始める。壁の一点を指さし、目を輝かせる。
ショートヘアの母親
「あの線、お魚みたいだよ。」
白いスモックを着た子ども
「葉っぱも見えた。」
母親
「葉っぱも見えた?」
解説
体をくっつけた親子が、上の方を指さしながら話している。
ショートヘアのガイドスタッフ
「せーの、グニューン。」
解説
ガイドスタッフと一緒に、おかっぱ頭の子どもが、下から上に線をなぞり、高くまで腕を伸ばす。
ガイドスタッフ
「うわぁ、すごいよ!」
解説
子どもが手を止め、上の方をじっと見つめる。
ガイドスタッフ
「コニョ、コニョ、コニョ、コニョ。」
解説
ストライプのワンピースを着た子どもが、ポニーテールのガイドスタッフと一緒に、弾むように手を動かす。
ガイドスタッフ
「来た!おー、 すごい!上から下まで行ったね!」
解説
拍手を送るガイドスタッフに、子供が嬉しそうな顔を見せるキョトンとした顔を向ける。
解説
別の展示室に水色チームを歩く青グループ。
ボブヘアのガイドスタッフ
「ぐるーっと、回って。」
解説
BGMが切り替わる。
ガイドスタッフが参加者を誘導する。親子たちが、壁の絵画を見ながら歩いてくる。
ガイドスタッフ
「くるっと見ると、どう?あっちに、すごい大きな作品が。」
解説
指さす先に、1枚の大きな絵画。桑の木の下に佇む、2人の女性が描かれている。
ガイドスタッフ
「すごい、いんな色が、使われた絵だね。じっくり見て、何色があるか、おうちのかたにお話ししていただけますか?」
解説
5組の親子が床に座り、絵を眺める。子どもたちは、それぞれ色違いのクッションに座り、すぐ後ろに親が腰を下ろしている。
ベージュのカットソーの子どもが、まじめな顔で絵を見つめる。
後ろにいるデニムを履いた父親が、顔をのぞき込む。
肩にフリルのついた服の子ども
「あそこ。」
黒のカットソーを着た母親
「あ、下?地面?」
解説
子どもが絵に指を向け、母親が同じほうを指さす。
チュニックの子ども
「あの黄色。」
えんじ色のニットを着た母親
「黄色。確かに、確かに。」
解説
感心したようにつぶやく母親。子どもは少し得意げな表情をして、まばたき。
子どもたちの発表が始まる。
チュニックの子ども
「緑。」
ガイドスタッフ
「緑色。はい。この色を見つけてくれました。」
解説
手にした色チップがマグネットで貼られたボード。から、25色ある中から緑色の色チップを選んで一同に見せる。ボードには、25色の色チップが、マグネットで付いている。
ガイドスタッフ
「どの辺に見つけて下さったかな?」
子ども
「上の、真ん中の木。」
ガイドスタッフ
「ああ、上の真ん中の木?」
子ども
「草のところ。」
ガイドスタッフ
「いっぱい使われてるね。」
解説
作品は、太田喜二郎の『《桑つみ』》。
桑の木の下に佇む2人の女性が描かれている。白いほっかむりと白い足袋、濃い色の着物姿に赤いたすき。ひとりは、桑の木に手を添えて、オレンジがかった肌にほほ笑みを浮べている。もうひとりは、背負い籠にを下ろして、青々と光る桑の葉を詰めている。明るい陽射しが色鮮やかに描写された、点描風の作品。
解説
他の展示室に移動する。部屋の真ん中で、セミロングのガイドスタッフが両手を挙げる。
ガイドスタッフ
「みなさん、この辺にお集まりください。」
解説
BGMが切り替わる。
広々とした部屋の壁には、様々な作品が並ぶ。色とりどりの原色の線が勢いよく混ざり合う絵。黄色の背景に一本の縦線が引かれた絵。オレンジ赤色の球体が集まっているような絵。コルクを張り合わせて作った絵のような作品や、大小さまざまな円形の鉄線が組み合わせられたう、鉄でできた立体もある。
ガイドスタッフ
「なんか気になるなぁっていう作品を、選んでください。その作品に、ぴったり合うなぁ、いいな と思うカードを選んでください。」
解説
親子に配られた小さなホワイトイスの上に載せられたボードには、カードが貼りつけら置かれ、ひらがなでオノマトペが書かれている。「がさがさ。」「もりもり。」「もくもく。」「がたがた。」「ほろほろ。」「かちかち。」「ぐんぐん。」「ぷかぷか。」など、二十数種類が並ぶ。
解説
親子ごとに分かれる参加者たち。
鉄線を使っでできた立体の前。
作品越しに、顔を寄せ合う親子が見える。メガネをかけた子どもとショートボブの母親が、作品の上のほうを指さし、小声で相談。ホワイトボードを置いたベンチに移動する。
母親
「ペラペラ?」
子ども
「ペラペラじゃない。」
解説
隣の親子。黒いパーカーの父親が、Tシャツを重ね着した子どもが選んだカードを見る。「こっちじゃない?」というふうに、別のカードを指さす。
別の親子。
黒いカットソーの母親が顔をくしゃくしゃにして笑い、肩にフリルのついた服の子どもがニコニコする。手には握りしめたカードが1枚。
解説
子どもたちの発表が始まる。
黄色い絵の前に、ベージュのカットソーの子どもとデニムを履いた父親がくる。その周りに参加者が集まる。
ガイドスタッフ
「はい、この作品。どんな言葉を選んだかな?」
子ども
「もこもこ。」
ガイドスタッフ
「もこもこ、なるほど。もこもこね。」
解説
寄り添う父親が、大きくうなずく。子どもが、ガイドスタッフにカードを見せる。
ガイドスタッフ
「この辺が もこもこして見えた?」
解説
絵を指さすガイドスタッフに、コクッとする子どもの横顔。
ガイドスタッフ
「はい、ありがとう。よく発表できました。」
解説
作品は、辰野登恵子の『《UNTITLED-28』》。
縦が約90センチ、横が約40センチの版画。背景は温かみのある黄色で、方眼紙のように黒い線が引かれている。その上に、灰色の筋が縦に1本。右上から左下に向かって、すーっと描かれている。筋は背景の黒い線より太く、影が付けられており、背景から浮いているように見える。
解説
大小さまざまな円形の鉄線が組み合わせられたう、鉄でできた立体作品の前に、みんなで移動する。
ガイドスタッフ
「この作品はどうでしょう。はーい。」
解説
メガネをかけた子どもを、ガイドスタッフが指名する。子どもが作品の横に立ち、カードを見せる。
子ども
「くるくる。」
ガイドスタッフ
「くるくる。くるくる、たくさんあるね。よく見てくれました。ありがとう。」
解説
ガイドスタッフから優しく背中を押され、はにかむ子ども。母親の元へ行き、しっかりと手をつなぐ。
作品は、青木野枝の『《雲谷 2018-1』》。
立体作品。異なる大きさの鉄の輪が、空間に円を描くように積み重なっている。底は広がり、上にいくにつれて細くなる形で、高さは約2メートル。近寄ってみると、輪の表面は赤茶けており、全体が錆びているのがわかる。鉄の重厚な印象を持ちつつも、重力に逆らい空に伸びあがるような軽やかさが感じられる。
解説
色とりどりの原色の線が勢いよく混ざり合う伸びる絵の前。
Tシャツを重ね着した子どもが、元気よく手を挙げる。
子ども
「はい!」
ガイドスタッフ
「はい。はい。お返事よくできました。」
解説
選んだ絵の前に立つ子ども。2枚のカードを見せる。
子ども
「くねくねと、ばらばら。」
ガイドスタッフ
「くねくねと、ばらばら。うーん、 なるほど!くねくねしてるね、確かに。『ばらばら』は、どの辺が、ばらばらしてる?」
解説
迷わず一点を指さす、子ども。
ガイドスタッフ
「この辺?いろんなところを見てくれて、2枚選んでくれました。」
解説
子どもが、父親のほうを向き、ニコッとする。
作品は、田中敦子の『《作品66-SA』。》
縦が約190センチ、横が約130センチ。のキャンバスに描かれている。赤や青、緑など原色の線をいくつも重ねて形作られた円が、3つある。円からは線が流れ出るように描かれていて、絡み合いながら3つをつないでつながっている。近づいてみると、線は、流れた液体がそのまま固まったようにツヤツヤしている。盛り上がっていて、絵の具ではなくビニールの樹脂だとわかる。油絵の具ではなく樹脂塗料を使った、強烈な印象を与えるダイナミックな作品。
解説
展示室の外。
子どもたちが、笑顔でインタビューに答える。
Tシャツを重ね着した子ども
「楽しかった。作品を見るときが好き。」
肩にフリルのついた服の子ども
「楽しかった。」
解説
子どもが黒いカットソーの母と手をつないだまま、何度もジャンプする。母親の笑顔がこぼれ、二人の姿がスローモーションになる。
画面が真っ白になっていく。
クレジットが表示される。
「ギャラリートーク・アクティビティで取り扱った作品・展示室」
太田喜二郎 『《桑つみ』》 1916年
ソル・ルウィット 『《ウォール・ドローイング#769 黒い壁を覆う幅36インチ(90センチ)のグリッド。角や辺から発する円弧、直線、非直線から二種類を体系的に使った組み合わせ全部。』》 1994年
Courtesy the Estate of Sol LeWitt, Massimo De Carlo and TARO NASU Copyright the Estate of Sol LeWitt.
桂ゆき(ユキ子) )『《作品』》 1978-79年
田中敦子 『《作品66-SA』》 1996年 ©Kanayama Akira and Tanaka Atsuko Association
青木野枝 『《雲谷 2018-1』》 2018年
辰野登恵子 『《UNTITLED-28』》 1974年, 『《May-7-91』》 1991年
所蔵作品展「MOMATコレクション」(2023年9月20日-12月3日)
コレクションによる小企画『「女性と抽象』」(2023年9月20日-12月3日)」
「東京国立近代美術館の おやこでトーク」
4~6歳の子どもとその保護者がペアで参加するプログラム。ふたりでのコミュニケーションを大切にしながら、MOMATガイドスタッフ(解説ボランティア)と、作品の中の色・形を見つける、ことばと作品をつなげる、身体を使って表すなどのアクティビティを通して、作品との出会いを楽しみました。
主催 東京国立近代美術館
撮影日 2023年10月28日・29日
映像制作 メディア・メトル株式会社
©2024東京国立近代美術館」
解説
東京国立近代美術館のロゴ。
独立行政法人国立美術館 国立アートリサーチセンターのロゴ。
テロップ
「映像制作協力:国立アートリサーチセンター」