参加者の声

「2019年度 美術館を活用した鑑賞教育の充実のための指導者研修」終了後に実施したアンケートで、参加者78名から有効回答が得られました。 選択回答の結果と自由記述からの抜粋を以下にご紹介します。

1.研修全般について

 
  • 研修に参加できる機会をいただき、ありがとうございました。美術館に自分自身が浸る経験ができ、新たな引き出しをつくることができました。また、ファシリテーターの先生に出会うことができて嬉しかったです。自分を受け止めて、考えを聞いていただいたのでとても充実した時間になりました。(小学校教諭)
  • いろいろな立場の人と話をするなかで、自分のものの見方や考え方が広がりました。また、自分の取組に自信がもつことができました。美術館の方とのつながりができ、今後の取り組みに広げていけそうです。本当に楽しい時間でした。ありがとうございました。(小学校教諭)
  • 有意義で楽しい研修でした。講演や事例紹介から、現在の鑑賞教育のあり方、目指している方向を学ぶことができました。学びながら、自分の勉強不足を感じ、学習指導要領を読み直すことからはじめなければと思いました。一方で、自分の基本的な考え方や日々の授業実践について、方向は間違ってはいなかったと感じ、安心したところもありました。うまくいくことの少ない日々の授業ですが、次はどんな授業をしようか、鑑賞にはどの方法を取り入れようかと考えています。ありがとうございました。(小学校教諭)
  • 研修に参加する前と後で、自分でも驚くほど造形教育(鑑賞教育)に対する意識が変わりました。たくさんの方のおかげで鑑賞教育に携わる教員としてさらにレベルアップしたいと前向きに思うことができました。本当にありがとうございました。(中学校教諭)
  • あんなにもじっくりと作品の前で話ができる機会はめったになく、本当に楽しかった。直に作品を見、じっくりと意見を交わすことで見えてくるものがあることを実感した。いろんな地域のいろんな先生と話をし、地域による考え方の違いを知るとともに、共通した思いを感じ取ることができた。本当に貴重な機会をいただき、感謝している。(中学校教諭)
  • 有意義な時間でした。講師や発表者はじめ運営スタッフの方々の熱意に感謝します。「関係を構築すること」「よい出会い」がキーワードになる研修会でした。他地域や他校種、そして学芸員の方と意見交換や情報交換ができ、授業や鑑賞活動に生かすため、今後の関係を築いていく基盤としていきたいです。(高等学校教諭)
  • 今回、たくさんの方のご協力のもと、このようなすばらしい研修会に参加させて頂き、2日間有意義な時間をもつことができましたことに本当に感謝しております。長いと思っていた2日間の研修でしたが、夢中で聞き、見て、感じ、考えた時間はあっという間でした。昼食時に美術館を鑑賞したかったのですが、時間が足りず、見られなかった所がありましたことが残念でした。ですが、たくさんの出会いもあり、日本の各地に同じ思いの先生方がいることに嬉しさと頼もしさも感じました。ネットワークも広がりました。現実の壁が立ちはだかっても、あきらめず研修し、子どもたちに還元していきたいと思います。私が働く特別支援学校には重度の生徒や軽度の障害をもつ生徒まで、さまざまな実態があります。そのような特別支援学校にも鑑賞教育のすばらしさを伝えていきたいと思っています。さまざまな子どもたちに多くの驚きとときめきを与えられるような、作品を見ること考えることを深められるような鑑賞の授業を考えていきたいと思います。 2日間ありがとうございました。(高等学校教諭)
  • 自分自身が美術館での「鑑賞」にどっぷりと浸ることはしたことなかったので、非常に勉強となった機会だった。それもこれも、お忙しい中綿密な計画を立てて準備してくださった学芸員さんや先生方のおかげと感じている。このひたすらに楽しかった経験を生徒にもぜひ味わってもらえるよう、励んでいきたいと思う。(高等学校教諭)
  • 初めて参加させていただき、とても勉強になりました。県内ではまだまだ「鑑賞」に対する敷居が高いと感じており、今回の研修に参加させていただき、こんなにも全国各地に意欲のある方がいることを実感し、私自身の励みにもなりました。県内レベルで、こういった研修会を開催し、指導者同士の交流の場として「美術館」を活用していきたいと強く感じました。(学芸員)

2.グループワークについて

  • 話す、書く活動だけに陥りがちな鑑賞活動が、鉛筆や色紙が媒介するだけで変化した。グループワークの課題が終わっても作品について話をしたくなる…という体験が新鮮であった。既に実践済の活動ということで、自分の情報収集の仕方や視点、手立てのもち方を振り返る良い機会になった。(小学校教諭)
  • 美術館の一区間に限定して、グループで意見を出し合いながら鑑賞学習の方法について考えることで、具体的で実践可能な内容を考えることができました。一人ひとりが意見を出しやすい状況設定も良かったと思います。(小学校教諭)
  • 小学校教員と学芸員、教育委員会の方などの様々な立場の方がおり、いろいろな方の思いや考えを知ることができました。また、違う都道府県の方の話を聞くことができたのも、とても良かったです。3つのグループに分かれて、グループごとに相談して美術館の活用の仕方や鑑賞授業の仕方を考えたので、これからの取り組みにいかして実践しやすいものでした。また、話し合いの中で自分の意見を言ったり他のグループの発表を聞いたりする中で、自分の今までの取り組みに自信をもつことができました。(小学校教諭)
  • 本物の作品を鑑賞して対話をすることの楽しさをあらためて実感することができた。新学習指導要領を踏まえて他府県の先生方と対話しながら授業の指導案を考えることができ、非常に勉強になった。また、グループのファシリテーターによって考えを深める方向性が異なっていたため、他グループとの交流によって見方が広がり、新たな気づきを得ることができた。時間の都合ですべての発表を見ることができなかったが、他のグループの考えも聞いてみたいと感じた。(中学校教諭)
  • 展示作品を前に、参加された方々の作品から受け取った印象・感想なども様々だった。それを互いに意見交換し合い、作品の本質に迫っていくような場面が、生徒たちにとっても内面への働きかけや変化の契機となり、有意義なものになるのだと改めて感じられた。また、集団である作品を前に語らう共通の体験が、連帯感を生んで内面を充実させることも実感できた。(中学校教諭)
  • ファシリテータの方が非常に聞き上手でしたので、学ぶことが多々ありました。(中学校教諭)
  • 純粋に一鑑賞者として楽しめました。最初は長時間どのようなスタイルで進んでいくのだろうと不安でしたが、時間を忘れるほど集中して取り組めました。今回のグループワークで、皆さんとの対話や、学芸員さんの知識の提供によって徐々に作品の見え方が深まっていくことを非常に実感しました。1つの作品でこんなにも深い見え方ができることに驚き、そのための下準備の重要性を改めて感じました。(高等学校教諭)
  • はじめはなかなか意見を言うことができなかったが、ほかの先生方のご意見を聞いているうちにジャコメッティと矢内原さんについて想像が膨らみ、いつのまにかどんどん意見を言っていた。自分の中の言葉にならない想いを、いろいろなご意見の助けがあって言語化することができて、グループワークの効果を実感することができた。(高等学校教諭)
  • ふだん美術館を訪れることはありますが、これほどまでじっくりと一部の作品に向き合う機会はありませんでした。グループワークは、予想以上に時間が経つのが早く感じました。教師がどんな意図をもって鑑賞の授業を行うかといういうことが大切であることは分かりますが、指定された作品を使って、何を学ばせるのかについてグループで話し合うことは、思っていた以上の考えが出てきて驚きました。 グループによって活動が違ったので、校種ごとの発表の時間はとても面白かったです。(指導主事)
  • 美術館の展示室という空間の生かし方、自由な鑑賞を肯定することの重要性を改めて学ぶことができました。ただ、グループ内では、若干その「自由な鑑賞」に価値が偏り過ぎているようにも思えたので(もちろん重要ではあるのですが)、発表後の他グループとのディスカッションで、それをどのように作品の造形的な要素への気付きに結び付けるかという視点が得られたのは良かったです。(学芸員)
  • グループワークを経て最初の鑑賞作品に立ち戻った時、「子どもたち(中学2年生)ならどう見るかな、どこから見るかな」と浮かぶようになりました。学習のねらいに合った作品か、合わせるとしたら…と「題材として」見る目になったと同時に、かたち、かたちの変形、内面やそれらの関係性を想像するなど、自分自身の作品を捉える視野が明らかに広がったと感じました。これは他の先生が語った「他者の目になりきって見て気づきを得る、そんな挑戦をすることこそ、自分自身の成長の深まりと言える」の言葉のとおりだと思います。グループワークというひとつの「鑑賞」を通して、また新しい作品や共に鑑賞する人たちとの出会いから、自分自身の力も伸びていく可能性を感じました。(学芸員)

3.グループワークの経験を今後どのように生かしたいと考えますか

  • 職場の仲間と話し合いながら鑑賞授業をつくっていきたいと感じました。また、市の図工研修会でも、実技研修を行うだけでなく、今回のように鑑賞授業をみんなで構想するワークショップを取り入れたいと感じました。(小学校教諭)
  • 今回特に面白いと思った鑑賞方法は、立体作品を数名のメンバーでリレー形式でスケッチしていく方法でした。最初は描きにくいと思っていたのですが、次第に他の方の描いた作品に陰影を付けていく活動に面白さを感じました。この活動では、同じ作品を他人がどのように見ているのかを知ったり、他の人と協力しながらスケッチを完成していったりすることを、言語を使わずに行なえることがユニークであると思います。実際に教職員研修でこの方法を紹介し、できれば実技の形で行ないたいと考えています。1つ困ったのは、美術館の中の立体作品は、結構壁に近いところに置かれていることが多いことです。立体作品は八方から作品を眺めることが大切だったんだと改めて気づかされました。(小学校教諭)
  • 対話型鑑賞のオープンクエスチョンを工夫したい。教師が話しすぎるタイプの授業から、早く脱却しなければならないと実感しました。(中学校教諭)
  • 授業案を考えるグループワークは白熱しました。美術作品はタネであるという考え方はメンバーで一致していたので、どういう所に注目させたら、生徒は想像が広がるだろうかということを考えました。他のメンバーの発想に刺激を受けました。自分の考え方の癖が分かりました。そのことは、今後授業の流れを考える上で大変重要な経験になったと思います。(中学校教諭)
  • まずは私自身がじっくりと、主体的な鑑賞をしたいと思います。グループワークの中では様々な方の視点が混ざり合って様々な見方が出ましたが、自分の中で色々な見方をし、授業の目的、ねらいに合わせた導入と展開ができるように工夫したいと思います。 また、学芸員の方が同じグループにいらっしゃり、お話を聞けたのもとても良い経験になりました。鑑賞の授業を考える際、美術館へ出向き、学芸員の方と相談しながら授業を組み立てていくことを実践したいと思いました。(中学校教諭)
  • 高校卒業後多くの生徒が表現者ではなく鑑賞者になります。「正解がないことに向き合ってみる」体験や姿勢は、自分で考え行動できることへ繋がると実感しています。思考できる場を作るには、まず授業において、この場は何を発言しても大丈夫との雰囲気作りをしていきたいです。また人数やワークシート、発問、回答への返答などを研究していきたいです。(高等学校教諭)
  • グループワークでは、1つの絵画に対して各グループごとに授業を組み立てたものを聞いたので、1つの絵画でもいろいろな鑑賞方法、見方考え方があることを再確認しました。いろいろな授業の流れ、手立てを知ることで、授業に対する自分の考え方に偏ることなく広い視点から授業を組み立て、子どもへの手立ての工夫に生かしていけるかと思います。(高等学校教諭)
  • 生徒の多様な見方や感じ方を引き出せるようにしていきたいと思います。こちらの考えている方向に向かわせるだけでなく、一人ひとりの感じ方を大切にしていきたいです。(高等学校教諭)
  • 本研修会で鑑賞の活動の意義を感じることができたので、自身が主催する研修会の中で伝えていきたい。そのために、本研修会で実施していただいたように意義を実感できるようなプログラムを考えていきたい。(指導主事)
  • 「じっくり時間をかけて作品と向き合う経験」をしたことがあるかないかでは、短時間で作品と向き合う場合にも大きく影響してくるのではないかと感じた。例えばボランティアの育成の際に対話型鑑賞の研修を行なうなどして、広い視点で作品を理解していただき他の活動にも生かしていきたい。(学芸員)
  • 今までは「美術館に来て欲しい」とこちらの希望を伝えるだけだったが、美術館だからこそできること(評価をしないこと、制作に時間をかけられること、本物の作品だから見えてくるものなど)を先生にもう少し丁寧に説明していく必要があるように感じた。研修で先生たちと話していくうちに、美術館内では自分と似たような考えの人と前提を共有し、共通言語で話していることに気づいた。話し方や使う言葉一つひとつにも、先生たちが美術館に距離を感じる要因かもしれないので、言葉の使い方にも気を配る必要があると思った。また、先生自身が鑑賞の楽しさを知ることが美術館来館の第一歩なのだということが、今回の研修ではっきりと分かった。先生たちは、色々な人たちと鑑賞することで、鑑賞者それぞれのバックグラウンドが見えること、一人では気づかなかったことが見えてくる驚きなど鑑賞の楽しさを会得していたようなので、所属館でも先生たちとの鑑賞の機会を設けたいと考えている。(学芸員)

 

4.アートカードワークショップについて

  • 実際にやってみて、とても楽しくわかりやすかったです。アート作品に愛着までわきました。(小学校教諭)
  • アートカードは以前から興味がありました。クラスでも取り組んだことがありますが、実際自分が参加したのは初めてだったのでとても新鮮でした。子どもたちの立場を体験できてよかったです。(小学校教諭)
  • アートカードは知っていたが、使い方が分からないので手が出せずにいた。実際体験してみて、こんなに楽しいツールを使わないなんてもったいないと思った。また、生徒作品でもアートカードは作れると思うので、学校オリジナルのアートカードを作ってみたい。(中学校教諭)
  • アートカードは普段の授業でも活用していますが、新しい遊び方を知り、体験できたので、授業に取り入れたいと思います。1時間ずっとではなく、制作の導入などのわずかな時間に取り入れることも考えたいです。ワークショップの形式で、全く知らない方と相席になるのが、またおもしろいと思いました。アイスブレイクにちょうど良いと思います。国立美術館のアートカード、注文します!(中学校教諭)
  • 実際に体験してみることで、ゲームの進行がとてもわかりやすく、また、楽しく取り組めることがわかり、すぐにでも生徒と取り組んでみたいと思った。また、アートカードゲームを通して国内の様々な作品を鑑賞することができるため、美術館に行きにくい環境にあっても活用しやすいことや、授業で詳しく鑑賞する作品以外にも、生徒個人が幅広く作品に出会うきっかけをつくることができる良さがあるツールだと感じた。(中学校教諭)
  • 一度も見たことのない作品を、実際に自分の目で見たり触れたりする美術館での鑑賞の機会も大切にしたいと思うが、たくさんの芸術作品をカードにより知り、身近で親しみやすいものとして受け入れられるようになったり、作品について感じられたことや気付きを話し合いコミュニケ―ションを図ることで、そのお互いの感性の違いを楽しむことができたりなどの効果があると思った。(中学校教諭)
  • 楽しく参加しました。「観たことを言葉にする」仕掛けがたくさんありました。グループワーク時の雰囲気作りにも活用できると感じました。こちらでも、何を発言してもよい、発言はまず受けとめる、との安心感を作られており、大変参考になりました。(高等学校教諭)
  • 季節などの簡単な導入から入る楽しいものから、深いテーマにつながるものまであり、すぐに実践できそうな魅力的なワークショップだった。色や形に対する個々の具体的な言葉から伝わる感性に触れることができ、お互いに新しい発見や学びを得ることができそうな題材で、大変興味深かった。テーマ・ねらいが変わることで、美術作品を観る視点も変わり、それぞれの思いから深い言葉が出てくるのも楽しく、交流にもつながるので、ぜひ活用していきたいと思った。(高等学校教諭)
  • 知識として知っていてもやる側としての経験が乏しかったので進めた方や目的、授業の中でどう活用できるのか考えるきっかけとなった。(指導主事)
  • 存在は知っていましたが実際に手にしたことがありませんでした。他館のカードも拝見して、自分のところ(館だけでなく、県でも)でもなにか作りたいなと、ワクワクしました。(学芸員)
  • カレンダーのゲームでは、季節感の見取りの個性、個々の視点の面白さがありました。名探偵ゲームでは共通点・相違点を発見するために頭がフル回転、興奮しました。この2つのゲームは初体験でしたが、アートゲームは実物の鑑賞へつながる視点のトレーニングになることを改めて実感しました。(学芸員)

5.事例紹介について

  • どの実践事例も大変勉強になりました。私自身が小学校教諭ですので、特に小学校での事例に興味をもちました。今年度6年担任として、墨絵の学習に取り組む際、地域の墨絵作家の方をゲストティーチャーとしてお願いする予定です。事例のように、さらに美術館の方と連携できることはないか模索したいと思います。 また、課題である年度をまたいだ継続性についても試行錯誤していきたいです。(小学校教諭)
  • 地域にある美術館をどのように活用すればいいのか悩んでいた。地域を生かした授業プログラムを協働することで、地域のことをより深く知ってもらえる機会もできる上に、美術作品に触れあえるチャンスを増やすことができる。やはり絵画、彫刻などの美術作品となると敷居を高く感じる人も多いので、協働プログラムを経てもっと美術作品を身近に感じ、そこで培った感覚を生活に生かしてもらえるようにしていきたい。(小学校教諭)
  • 小学校の事例では、美術館と学校と地域の方との連携が素晴らしいなと思いました。地域の方との連携だけでもじゅうぶんに良いと思いますが、そこに美術館が加わることで、一気に専門性が高まり、児童も自分の作ったものに自信が持てたり、普段使う食器と関連づけて学びが深まるんだなあと思いました。醍醐寺と醍醐中学校との連携では学校とお寺との結びつきが意外でした。材料を見せてから本物を見る、事前学習してから本物を見るという、生徒が驚く仕掛けを工夫しておられているのが参考になりました。高校の事例では、もともと美術に興味があり物作りが好きな生徒が集まっているという点で、モチベーションが高いなと思いました。その中で、材料や制作過程の工夫、鑑賞を通して、生徒が多くの気づきを得ている実践でした。(中学校教諭)
  • 地域の力を生かしきりたいと思った。また、美術館が物理的に遠くても、最終的に子どもたちが美術館に行ってみたいという思いをつくることも生涯学習の観点で必要だと思う。幸い今の校区では美術館が近くにあり環境に恵まれているので、この環境を生かさなければと事例紹介を聞いて思った。(中学校教諭)
  • どの事例紹介も素晴らしく、こんな活動ができるんだなと、素直に素晴らしいという気持ちになりました。福岡市美術館のアウトリーチ活動「どこでも美術館」の持ち出し専用教材は、本校の生徒にも見せることができたらどんなにか良いだろうと感じましたし、美術館と地域と学校が連携をもって子どもたちを育てていることに心打たれました。京都醍醐寺のお寺との連携授業は、田中さんの言葉の一つひとつに感銘を受けました。「継承するということは、思いをもって受け継いできたことを大事にしたい」「鑑賞とは個人的な心の営みととらえ、道筋をつけずにいきたい。しかし、フォーカスポイントは大事です」等、なるほど、と思う言葉がたくさんありました。熱い気持ちを持ってプロジェクトを行なっていることが伝わってくる発表ばかりで、素晴らしい、私もできることはたくさんあるなと感じることができた貴重な機会となりました。(中学校教諭)
  • 教員と学芸員の熱意のある指導で子どもが変容することがよく分かりました。特色ある地域の成功した事例と捉えずに、子どもたちのために、自分の地域でも取り組みたい、自分から開拓したいと強く思いました。(中学校教諭)
  
  • 地元産業とのコラボ授業が特に素敵でした。また、醍醐寺の事例においても学校と地域との連携が子供たちの地元愛にも繋がりそうなので、私もこういった取り組みをして他者へとバトンを繋いでいきたいと思いました。(高等学校教諭)
  • 学芸員・学校・地域との連携がこのように深められるのだと、ただただ驚きと感激でした。実践された方々のポテンシャルの高さと行動力を感じました。特に醍醐寺の事例では、寺社との連携は私たち学校側からしたら宗教という概念から敬遠しがちで、博物館法が適用される対象とみなしていませんでした。非常に視野が広がった事例でした。私の学校においても、地域の神社に毎年美術部が絵馬を作成して奉納していますが、絵馬についての知識やその神社の文化財には触れていませんでした。今後の活動において、視点を変えた取り組み方が模索できそうな気がしています。また、どこでも美術館の教材はあらゆる学校が提供していただきたい資料ではないかと感じました。大学や作家さんたちとの連携が質の高いものを生み出す要因になったのだと思います。様々な施設、人との連携の重要性を実感しました。(高等学校教諭)
  • 学芸員の方も様々な形で連携を模索されていることがわかったのが一番の収穫だった。連携というと負担感が先行してしまいがちだが、「将来につながる子供の学び」を考えたとき、美術館は貴重な資源である。自分で無理と決めつけるのではなく、学芸員の方と一緒に創っていけたら、教師自身も楽しみが広がると感じた。(指導主事)
  • 小学校の事例では、休館期間を活用したアウトリーチ・プログラムの確立という効率の良さに感心し、また 開館後の活用方法の課題には(人手不足、対学校の継続性など)マンパワー不足の美術館事情に共感しました。 中学校の事例では、お寺さん(地域)をフル活用した、多年度継続的な鑑賞教育に地域全体の育ちが見て取れ、感動すらありました。宗教、信仰、文化財、子供たちの表現など、双方向以上、複合的な展開にときめきました。高等学校の事例では、当館の課題でもある高校生の美術館利用、連携に対するヒントがありました。Webを利用したリアルタイム集計等のIT技術の利用が自然になされている光景に、今の高校生の姿をみせていただきました。(学芸員)

6.ワールドカフェについて

  • 多くの方と考えを交流することで、視点が広がり新しい気付きを得たり深めたりすることができました。図工・美術の楽しさとそれを通しての学びについて話し合うことでこれからの意欲と方向性、そして元気がもらえました!(小学校教諭)
  • 普段、美術教育のことを語る人はほとんどいないので楽しかったです。話し合う中でいろいろな気づきも生まれ、自分もできることをやってみよう!という意欲が生まれました。(小学校教諭)
  • 教員だけでなく、様々な立場の方と交流でき充実した時間となりました。最初のグループで話し合っていると、一つの方向に流れていく感じがしましたが、話す人が変わるとまた別の方向に話が広がり、最終的に様々な方向から考えることができました。生徒の班活動にも使ってみたいです。(中学校教諭)
  • 参加者の一人ひとりがそれぞれに思いをもって参加されていることが感じられる、とても熱のある議論が各グループでなされていた。グループでの対話を通し、対話的な鑑賞教育や美術館等と連携した鑑賞教育への思いを深が深まったと感じた。しかし、対話の内容が「考え方」や「思い」にとどまっているところもあるため、実際に自校や地域で実践していくに当たって具体的にどう取り組むかは、一考の余地があると考える。自分の地域の教師と考えていく機会を設けたいと感じた。(中学校教諭)
  • ワールドカフェという形態のグループワークに初めて参加しましたが、スピード感があり、自分の思うこともアウトプットできましたし、様々な意見を聞くことができとても良かったです。鑑賞教育によって育まれる力は、これからの社会を生きる上でどんな意味をもつかというテーマについては、自己を理解すること・他者を理解することに繋がるという意見や、どのような見方をしても認め、認められる経験は自己肯定感を高めていくことにも繋がると思いました。また、これから私たちは何をすべきかというテーマについては、他の教科の先生と作品鑑賞することによって、鑑賞教育の大切さを知ってもらいたいと思いました。周りの先生方は忙しいため、すぐに実現することは難しいですが、まず自分の授業の中で鑑賞を大切にし、機会を見て内容を発信していくことで、その大切さを他教科の先生にも伝えられたらと思いました。他の方から出た、保護者と一緒に美術館で鑑賞をするというアイデアは、とても斬新で、実現できればよりお互いの理解が深まると思いました。(中学校教諭)
  • 美術教育に携わる人たちが集まって、こんなにも豊かな話し合いができることがとても楽しかったですし、有意義な時間でした。人が移り変わることで、更に話が深まっていくことを感じました。初めてお会いする方ばかりでしたが、すぐに打ち解けて話し始めることができました。ワールドカフェの手法そのものも面白く、効果的だと感じましたので、本校の総合的な学習の時間の発表場面でも組み込んで行なうことにしました。(中学校教諭)
  
  • テーマに沿ってお互いの意見を交わしていくことで、つながる・深まる・広がる・気づく・新しい発見などといった様々な体験をすることができ、勉強になった。短時間でこそ深まる手法もあることを知り、活用していきたいと思った。話し合いやまとめに関しては、その過程が大事であり、丁寧にまとめるよりも、それぞれの言葉が深く印象に残ると感じた。リズム感や話し合いの雰囲気づくりも大切なのだと実感し、学ぶことが多かった。(高等学校教諭)
  • 学芸員や校種別を超えて、いろいろな立場の方とお話ができてとても新鮮だった。特に、学芸員の方と美術館と学校との連携について相談できたことは、本校でも取り組むことができるかもしれないと可能性を感じさせてもらうことができた。(高等学校教諭)
  • ワールドカフェで得た知見の多さも驚きましたが、ファシリテ―ションが大変勉強になりました。(指導主事)
  • グループワークで同じだった先生方は、鑑賞を含めた美術の授業に積極的に取り組まれている中学校の先生たちだったのだが、ワールドカフェでは、小学校や高等学校の先生、鑑賞に興味がありこれから始めようとしている先生など様々なジャンルやレベルの先生たちと話せたことが良かった。ワールドカフェで数回組み合わせが変わったので、美術館での子どもたちの様子や先生からいただいた前向きな感想を伝える時間としても活用させていただいた。(学芸員)

7.講演について

  • 超スマート社会を生きるこれからの子どもたちに、他者を受け入れる心をもってもらいたいと思う。そのために、鑑賞は一つの手段として効果があるのではないかと思った。鑑賞はその人の思うままを伝えることができ、正解はない。「そういう見方もあるのか」「なるほどね」という相手の心に寄り添えるような場をたくさん設定し、子どもたちの心を耕していきたい。(小学校教諭)
  • 新指導要領実施に向けて、現場では各教科主任がその教科の「主体的、対話的で深い学び」とは何なのかを他に伝えなければならないと言われていました。自分自身他に伝えることができるほどよく分かっていなかったので、夏休みの間に学んでおかねばと考えていた矢先の東良先生の講義は、まさにタイムリーでした。短い時間にぎゅっと詰まった内容がとても有意義だったと思います。神野先生の講義は哲学の講義のようで、自分にとってかなり難しかったと思います。「鑑賞体験で第一印象の好き、嫌いで終わらず、その先に踏み込んでいく体験をすることで、他者に対し受け入れる寛容性を培うことができる」という内容に深く頷くことができました。それと共に、私達美術図工の教師が作品を差別していることもあるのではと考えました。たとえば「世界的に、歴史的に評価されているからこの作品は鑑賞する価値がある」などの偏った作品の見方をそのまま子どもに伝えているのではないかということです。(小学校教諭)
  • 東良先生のお話で、夕日の美しさに気づかない子どもが多くいたというお話が妙に心に残りました。小学校の指導書に日常生活の中で培われる鑑賞の能力についての言及があります。最終的には美術作品だけでなく、日常のあらゆるものから美しさを感じ、共感し、神野先生のお話にもあった寛容性をもってもらいたいと思います。そのために私たちができることは、鑑賞の授業や美術館活用はもちろん、それに加えて普段から大人自身がゆとりをもって自然を楽しみ、四季の移り変わりを感じ、五感を働かせて美しさを味わうこと、そしてその姿を子どもたちに見せることも大切なのではないかなあとお話を聞いて感じました。(小学校教諭)
  • 東良先生の講演では、これから大きな変化を迎えていくであろう社会を生きていく子供たちに身につけさせていく必要がある力を考えたとき、鑑賞教育のもつ意義の大きさを認識させられた。神野先生の講演は人間の感情や社会的関わりという切り口から鑑賞に触れ、人間の感情という根本的なところから鑑賞教育について考えることができ、興味深く聞かせて頂いた。(中学校教諭)
  • 東良先生の講演の中で「美術作品を扱えば美術の授業になるわけではない」と言われたことに、そうだなと思いました。今まで、作品を鑑賞する中で歴史的な背景とその作品を味わうのと、1時間の中で収めるにはどうしたらいいかと考えていましたが、美術の授業をするということで考えると、優先順位がはっきりするなと思いました。また、社会全体から見て美術科の役割を考えることは、そこでつけた力や考え方が、社会に結びついていくと考えると、学校教育における教員の役割は責任重大だと思いました。だからこそ、美術館や地域と連携しながら、楽しんでチャレンジしてみようと思います。 神野先生の講演では「不寛容な社会」に歯止めをかけるのは対話であるということかなと思いました。「これからの社会は日常的に差異にぶつかる時代」と言われたことに実感をもって納得しました。現に職場のなかでもLGBTや日本語支援の必要な生徒たちがいましたし、今後ますます増えてくると思います。今までの感覚(男女の区別、制服、日本の慣習など)だけでは、生徒を大きく傷つけてしまうなと思っていたところでした。「自分と人とは違って当たり前」だからこそ「自分のことは言わないと伝わらない、人のことは最後まで聞かないと分からない」という、中学生が苦手とする意識を美術の鑑賞を通して変えていけたらと思いました。「何で?」と聞く力、聞かれて説明する力は、どの教科にも、社会と関わる上でも必要です。その力をつけることができたら! 夢みたいにうれしいと思います。(中学校教諭)
  
  • 美術教育の本質や教員としての使命を改めて考えさせられた。美術の目的や、その力が社会でどう役立つのかを客観的に問われる場面もあり、明確なねらいと意識をもって取り組んでいくことはもちろん、外への発信や美術館・博物館との連携、他教科・行事・地域社会との連携なども積極的に行ないながら、鑑賞活動をより豊かにしていくことが大切だと感じた。(高等学校教諭)
  • Society5.0、ネット社会における美術や鑑賞の重要性を再認識しました。今までとは違う社会のなかでも、大切に育んでいかなけらばならないものは美術で大切にしていたものだと感じました。子どもたちの多様性や表現力、コミュニケーション力などが健やかに育つように、教員も学び、工夫していかなければならないと思いました。(高等学校教諭)
  • 東良さんの講演はいつも大変勉強になります。神野さんのお話は1日目に行なったグループワークを読み解いている内容で大変勉強になりました。(学芸員)
  • 2つの講演会とも、鑑賞活動は一方的に知識を伝えるのではなく、知識を活用し、考え、新しい価値観を生み出すものと説明があった。今まで、自分が鑑賞活動を進めるさいに「知識を活用する」という視点はあまり持っていなかった。この点に気付けたのは収穫。(学芸員)
  • 東良先生の講演の「次世代の社会に必要な能力」の解説が研修当初にあったからこそ、「新しい価値観をつくる力」「独創性・個性」「共感力」を育む鑑賞教育であることを、この後の研修内容で押さえておくべきポイントとして常に頭に置くことができました。美術館に行く、実物を見るといった特別な体験を子供たちに提供する大切さの他、特に、自分が意識するべき、美術館での活動ならではの「実物」「空間」「豊富な情報」「テーマ性」「専門性」について整理いただけたのがありがたかったです。神野先生からは「鑑賞」という言葉のもつ2つの意味「意味生成の学び」「文化の学び」の整理、鑑賞と認知の構造の整理を、多くの文献から説得力をもって解説いただけました。この直前に行なわれた事例紹介にあった子供たちの様子が、どのような受け止め方によって生じていたのか、想像できたのも良かったです。社会全体の考え方の動きのなかでの、美術を鑑賞する意味づけがなされて、この取り組みに関わろうとする自分自身が認められた気持ちをもてました。(学芸員)

8.地域での鑑賞教育の現状を教えてください。
また、この研修の経験を、現場でどう生かしたいですか?

  • アートカードは広まりつつあるものの、地元にある美術館には鑑賞プログラムやレプリカ作品がなく、立地条件からしても学校の利用は非常に少ないのが現状です。県立美術館の研修は充実しているものの、市単位では実際の美術館での研修がないため、市の教育研究会図画工作科研究部での研修を充実させていきたいと思います。今回のグループワークのように、いろいろな学校の先生方が集まって鑑賞活動を考えてみたらいいのではないかと感じました。(小学校教諭)
  • 私の住む地域には、近隣に美術館がありません。また、小規模校が多いので、中学校でも美術教師がいない学校が多くあります。そのような中で、美術教育や鑑賞教育と言われても、そんな専門的なことは分からないし自分には関係ないと考えている人がたくさんいるように感じています。私は、自分なりに工夫して小学校の図画工作の授業や鑑賞の授業に取り組んできました。本研修を受けて、自分の取組に自信がもてました。また、講演を聞き、グループワークやワールドカフェなどで多くの人と話し合ったりする中で、鑑賞教育を通して多様性を受け入れる力、自分の意見を言う力、人の意見を聞いたりする力がつくことがよく分かりました。また、今までなんとなく鑑賞教育は人権教育や学級経営とも関わっているように感じていましたが、それを理論的に理解することができました。鑑賞することは楽しいこと、そして、鑑賞教育の必要性や大切さを人権教育や学級経営の面からも周りの人に話をしていきたいと思います。(小学校教諭)
  • 10年以上前、教育センターでの研修中に対話型の鑑賞方法を知りました。その後現場に戻り、自分流にアレンジを加えた鑑賞学習を行なってきました。自分が行なっている鑑賞方法はこれでいいのか、マンネリになっていないか、もっと様々なアイディアがないかと考えている中での本研修でした。2日間の間に多くの新しい考え方、方法を得ることができました。現場で子どもたちを相手に授業の形にするには、もっと自分の頭の中で整理し、実践可能な場所や作品を探す必要がありますが、必ず生かし、自分の財産にするだけでなく他の先生にも伝えていきたいです。(小学校教諭)
  • 小・中学校図工・美術教育研究会を中心として図工の授業に鑑賞を取り入れたり、県立近代美術館と連携して夏休みに職員研修を実施したりしてきましたが、今後はさらに、研究団体に所属し「内」だけではなく「外」へとつながりを広げていきたいと思います。まずは自分が積極的に工夫して取り組んでいくことで「外」に鑑賞教育の意義と子どもたちの満足した様子を伝えていくことからスタートしたいと思います。(小学校教諭)
  • 対話による鑑賞の経験がない教師が多く、知識を教える指導を鑑賞教育としている実践が多くみられることや、鑑賞に「遊び」の要素が少なく、生徒が創造的に作品鑑賞する楽しさを実感できないことなどが課題であると感じる。しかし、鑑賞をする場合に、生徒が意欲的に鑑賞したいと考える作品(実物大、高解像度など)の準備が難しいことから、実施しづらいという側面もあると考える。地域の美術館の学芸員の方も参加されていたため、教職員のための研修を合同開催を企画するなどして、まずは対話による鑑賞を経験してもらい、どのようなことが鑑賞を通して生徒の学びとなるかを体験してもらえる場や、作品資料の準備について学芸員の方と相談できるような連携の機会をとなる場を設定し、地域の教師が一丸となって鑑賞教育に取り組めるように努めていきたい。(中学校教諭)
  • 学校教育と美術館との連携で、実技及び鑑賞教育の講座の開設・講演などが、年に一度は美術館において開設されている。今回の研修では、アートカードを使用した取り組みなど、芸術作品を、親しみやすく、身近に感じられる工夫の実践など参考になった。美術館などが近隣にない場合でも、こうした日々の実践の積み重ねや継続した取り組みが大切だと思った。今後も、自分自身の実践などを積み重ねつつ、今回の研修での学びや感じられたことなどを踏まえて『鑑賞教育』の充実に努めていきたいと思う。(中学校教諭)
  • 美術館からの講座案内はあるものの、人数や身体的な問題で参加することに気後れしている。しかし、美術館の方から相談に応じて対応していくこともできるかもしれないので、まずはお声掛けをと言っていただき、前向きに取り組んでいきたいと思った。本校は知的障害の特別支援校なので、生徒の実態に応じた鑑賞ができるよう、相談することから始めたいと思う。(高等学校教諭)
  • 県教育センターでは、初任者研修・経験者研修・専門研修等を通して、美術館での鑑賞活動・指導法講座等を行なっている。美術館でも、学芸員によるワークショップ、学校連携事業等が行なわれている。この研修での経験を本校での授業に活用し、県の研究大会などで伝達・発信・情報共有していくことで、貴重な体験と成果を還元していきたい。(高等学校教諭)
  • 個人レベルや数年に1度、美術館と学校が連携して活動を行なってはいるが、誰もが気軽に美術館との連携やアートカードや出張授業などを利用できていない。鑑賞教育の価値を理解していただき、子供の資質・能力を育むための手立てとして表現と一体で進めていく必要を感じた。経年研修や学校訪問、研修会等で啓蒙していきたい。(指導主事)
  • 町内唯一の中学校が1年生美術の中で3時間を確保し、事前、来館、事後と美術館との連携が5年継続しています。小学校は2年生の生活科、あるいは4、5年生の図工での来館がありますが、担任の先生の移動等もあり継続性はありません。これまで独学に近かった鑑賞への理解、進め方について研修全体に流れる鑑賞を通して目指す方向性が、これまで自分の取り組みの軸となっていた考えと一致していて、自信にも繋がりました。それらを踏まえて、近隣地域の学校全体へ実施事例などの美術館利用ガイドの配布を進めたいです。美術館側(学芸員)として、指導要領に基づいた教科の本質を把握した目的設定を教員と共有しつつも、鑑賞という行為自体には、自由な視点と意味生成の過程の楽しさを失わずに活動を進めていきたいと思いました。(学芸員)

 ※ アンケート結果を表した円グラフでは、小数点以下を四捨五入したため、合計が100%にならない場合があります。