2025.07.01
ラーニングチャンネル舞台裏トーク

【トーク全編書き起こし】赤ちゃんから参加できる美術館体験プログラムができるまで|国立国際美術館

ラーニングチャンネル舞台裏トーク | 【トーク全編書き起こし】赤ちゃんから参加できる美術館体験プログラムができるまで|国立国際美術館

話し手:藤吉祐子(国立国際美術館 学芸課 教育普及室長)
聞き手:原 泉(国立アートリサーチセンター ラーニンググループ研究員)
編集:井尻貴子
収録日:2023年12月14日

国立アートリサーチセンターのラーニンググループは「誰もがアートに出会い、新しい価値や可能性を見出すことができるよう、さまざまな事業に取り組んでいます。そのうちの一つに、全国の美術館が取り組んでいる様々な学びに関するプログラムを取り上げ、動画にして紹介している「ラーニングチャンネル動画集」があります。

「舞台裏トーク」では、この動画集で紹介している取り組みが、どのような背景や経緯から生まれたのか、まさに“舞台裏”について、美術館の担当者やアーティストをお招きして座談会形式でうかがうトークシリーズです。
本記事は、国立国際美術館で2019年度より開催している未就学児の子どもたちを対象とする美術館体験プログラム「ちっちゃなこどもびじゅつあー ~絵本もいっしょに~ 」について聞いたトーク内容の書き起こしレポートです。

目次

0歳から参加できる!「ちっちゃなこどもびじゅつあー ~絵本もいっしょに~」

  • 子どもも大人も、落ち着いて参加できるように
  • 話すきっかけづくりともなる、絵本よみの時間
  • 展示室では、1対1のサポートを
  • 鑑賞を、一番重要視していない

きこえない子も、きこえにくい子も、きこえる子も一緒に「こめっこ」回

  • 即興的に、プログラムをつくっていく
  • たくさんの機会をつくっていきたい

0歳から参加できる!「ちっちゃなこどもびじゅつあー ~絵本もいっしょに~」

原:「舞台裏トーク」第1回目となる今回は、国立国際美術館の、0歳から参加できる未就学児対象の美術館体験プログラム「ちっちゃなこどもびじゅつあー ~絵本もいっしょに~」(以下、「ちっちゃなこどもびじゅつあー」と略記)を取り上げたいと思います。ゲストには、国立国際美術館学芸課教育普及室長の藤吉祐子さんにお越しいただきました。

右側に座っているのが藤吉祐子さん、左側が聞き手の原泉さん

藤吉:国立国際美術館の藤吉です。国立国際美術館では、あらゆる人たちがどのように美術や美術館と関わっていけるのかということを考えながら、小学生、中学生、高校生、学校の先生や、ケアを要する方々などに向けて、それぞれに合わせたプログラムを実施しています。
ちっちゃなこどもびじゅつあー 」は、0歳〜未就学の乳幼児とその保護者を対象とした美術館体験プログラムです。

2005年から、小学生を対象としたプログラム「こどもびじゅつあー」を始めました。1時間くらいでコレクション展を、対話による鑑賞を行いながらツアーするという内容でしたが、そのうちに、中学生からも参加のご要望をいただき、小学1年生から4年生と、小学5年生から中学3年生に分けてプログラムを行うようになっていきました。
その後、小学生未満のお子さん向けのプログラムがなかったということと、もっと小さなお子さんにも来ていただきたいと思ったので、安心して赤ちゃんや小さなお子さんが参加できるようなプログラムとして開発し、実施開始いたしました。

「ちっちゃなこどもびじゅつあー」紹介動画より

子どもも大人も、落ち着いて参加できるように

藤吉:内容としては、まず講堂で、絵本よみの時間があります。次に、展示作品を大体4~5点くらいスライドで紹介して、参加者の皆さんとお話しします。その後、展示室に降りてからは自由鑑賞。その間も、私たちスタッフは皆さんのそばにいながら、小さいグループでお話しします。最後に、また講堂に戻り、展示室で見てきたことや感じたこと、考えたことなどをお話しして終了となります。

「ちっちゃなこどもびじゅつあー」では、1年目は、キッズルームで絵本よみの後すぐに、みんなで一緒に展示室に行っていたんです。ただ、0歳の子もいれば、5歳の子もいる。そうすると、子どもたちみんなと一緒に、一つの作品の前でギャラリートークをするのは難しかったんです。そうしているうちに、2年目は新型コロナウイルス感染症防止のためにギャラリートークを控えなければならなくなったことをきっかけに、講堂での絵本よみに続いて、みんなでスクリーンに映し出された作品画像を見て、発話が始まっている子どもと保護者でワイワイと気づいたことを話すスライドトークをしてから、展示室で自由鑑賞する流れに変更しました。すると、展示室で同じ作品を見ても、一度講堂で見ているので、落ち着いて作品を見れたり、講堂で気づいたことをもとに実際の作品を見れたりすることに気づきました。小さいお子さんにとっては、展示室でも個別サポートの方が有効であることもあり、その後も、同じ流れで実施しています。

以前は、館内に実際の作品が展示されているのに、その作品の画像を直前に見せるなんて、どちらかというとナンセンスだと思っていました。

でも、しっかり落ち着いてから、作品を見ることの重要性に気づきました。小さいお子さんとのプログラムは特に、一回しっかり落ち着く時間が大切。やっぱり小さいお子さんと一緒だと時間通りに動けなかったりして、開始直前に来られる場合も多いので十分に時間を取らずにギャラリーに行くと大人も落ち着かないままなんですよね。
保護者も、初めていらっしゃる方も多いので、初めての場所、初めての美術館でどんなことが行われるかわからない状況ですと、緊張されている。そうすると、その保護者の緊張がお子さんに伝わると思うんです。

原:確かに、小さい子に限らないかもしれないですね。というのも、私自身もイベントに参加する時に、電車を乗り間違えてギリギリに到着した時がありました。そうすると、会場に着いてもまだ焦りや緊張が残っているんです。一回落ち着くことで、これから作品を見るんだっていうマインドセットになるように思います。

藤吉:はい、それと、小さいお子さんは場面転換がないと飽きてしまうので、落ち着くことと、シーンがしっかり分かれていることも大事かなと思います。

話すきっかけづくりともなる、絵本よみの時間

原:この「ちっちゃなこどもびじゅつあー」では、スライドトークの前に絵本を読む「絵本よみ」の時間が設けられていますが、これはどういった経緯ではじまったんでしょうか?

藤吉:「絵本よみ」に関しては、プログラム開始当初から実施しています。ほとんどのお子さんたちが美術館に初めて来て作品を見るので、なかなか作品に集中できないという状況があるなか、ちょっとずつ何かに集中する、作品に親しむ導入としていくためです。それぞれの回でいくつか作品を見るんですけど、できるだけ、作品に何かしら関連がある絵本を紹介しています。たとえば、あの絵本の中にワンちゃんがいたね、この作品にもワンちゃんがいるけど、さっきのワンワンとは何か違うかなと話すきっかけづくりにもなるような絵本を選びます

原:ありがとうございます。ここからは、動画を再生しつつお話を伺っていきたいと思います。

動画が表示されない方は、以下のURLをクリックしてVimeoページよりご覧ください。
https://vimeo.com/ncar/nmoa2022



原:はじめに絵本を読み聞かせていますね。

藤吉:講堂で開催しています。絵本よみをされている方は、図書館司書、朗読家、詩人、大阪国際児童文学振興財団の方など、このプログラムの立ち上げのために集ってくださった「美術と絵本を考える会」のメンバーです。

絵本よみをしている様子(「ちっちゃなこどもびじゅつあー」紹介動画より)

展示室では、1対1のサポートを

原:ここから展示室へ向かうんですね。

藤吉:この動画を撮影した時期は、全館で企画展を開催していましたので、企画展で実施していますが、通常はコレクション展で実施しています。展示室では、基本的には1組に対して一人スタッフが付くようにしています。というのも、ベビーカーだったり、美術館に慣れていなかったり、何らかのサポートを必要とされることが多いからです。かつ全員に同じサポートというより、それぞれの状況に応じたサポートが必要となるので、個別に対応できる体制にしています。

原:なるほど、それぞれニーズが違うんですね。

藤吉:はい。保護者からの悩みというか、ちょっと相談したいことも違いますし。「普段、絵本は好きなんだけど、美術館には初めて来ました」というような話から、「美術館にまた来ていいんですか」とか、そういう話もしながら一緒に回っていますね。
それに、<作品を鑑賞するぞ>っていう姿勢でスタッフがいると、参加者の方々も緊張しますし、「ちゃんと見なきゃいけないんだ」っていう雰囲気になってしまいます。ですからどちらかといえば世間話のようにざっくばらんに対話をしながら、「この作品、お母さんどう思いますか?」とか、「お子さん、足ばたつかせて喜んでいますね」と言いながら見るようにしています。お子さんを美術館に連れてきたことがない方も多いので、子どもたちがどんな反応をするか、美術館に本当に連れてきていいのかって不安に思われている方々が非常に多いんですよ。
子どもたちは、好きな作品の前では叫ぶけど、興味がない作品の前ではあんまりというように反応がすごく正直なんですね。でも、そういうことは、こちらから言わないと保護者は気づかなかいことが多いです。まだ発話する段階じゃなくても、小さくても、美術館が初めてでも、やはりその子が目にしたものに対して、その子自身が全身で受け止めて反応してるんだっていうことを知ると、保護者の方たちもまた来たいって思われるので、お話しするようにしています。

原:私も、これまでエデュケーターをするなかで、参加者の方と話したり、他の人の発言内容に耳を傾けたりすることで、反応を見ていたんです。でも、もうちょっと解像度を上げて見てみると、たくさんの反応が子どもたちの中にはあるんですね。それをスタッフが気づいて保護者にも伝えていくことが大事なんですね。

スタッフが付き添いながら展示室を回っている様子(「ちっちゃなこどもびじゅつあー」紹介動画より)

鑑賞を、一番重要視していない

また、「ちっちゃなこどもびじゅつあー」は“美術館体験プログラム”だと考えています。鑑賞を一番重要視していない。作品を見るんですけれども、「ちっちゃなこどもびじゅつあー」では、この美術館全体をまずは体験していただいて、自分たちがこれからも親子共々来てもいい場所なんだなって認知してもらいたいなと思っています。

原:「子ども連れで来ていいのかしら」、「また来ていいですか」と聞くということは、もともと何か行きにくさを感じている方が多いということの裏返しですもんね。

藤吉:そうなんです。私も、このプログラムを始めてびっくりしたんですが、参加者の7割ぐらいの方が当館にいらっしゃるのが初めての方で、3割くらいの方々がもともと当館が好きだったり、美術館によく行ってたりっていう方なんですね。でも、もともとよく行っていたという方々も、出産後は子どもを連れて行けなくなったっておっしゃるんです。
それだけ、美術館って、行ってはいけないと思わせてしまう・・・。これは本当に何とかしないと、と思っています。

きこえない子も、きこえにくい子も、きこえる子も一緒に「こめっこ」回

原:さて、ラーニングチャンネル動画集では、「ちっちゃなこどもびじゅつあー 〜絵本もいっしょに〜」の他にもう1本、「ちっちゃなこどもびじゅつあー ~絵本もいっしょに~ こどもの手話(ことば)を育む『こめっこ』回」という動画も公開しています。

動画が表示されない方は、以下のURLをクリックしてVimeoページよりご覧ください。
https://vimeo.com/ncar/nmoakomekko2022


藤吉:こちらは、0歳〜未就学のろう・難聴児が集まり、遊びをとおして手話を獲得・習得する場をひらかれている「NPO法人こめっこ」(以下、「こめっこ」)という団体に協力いただき一緒に実施しています。

きこえない、きこえにくいお子さんは、手話をたくさん浴びるように見れば見るほど、言葉が蓄積されていくんですよね。場面によって使われる手話は違うので、このプログラムを通して、美術館の中で使われるような手話にたくさん出会っていただきたいなと思っています。

藤吉:このプログラムは、自己紹介のあと、「こめっこ」による手話での絵本よみがあります。日本語の音声通訳もあります。きこえるお子さんも参加でき、一緒に楽しんでいます。展示室では、作品の前での「こめっこ」の、手話による対話を見るところから始まります。
絵の前でどういう手話が使われるのか。子どもたちはそんなに意識して見てはいないですけど、せっかく美術館で作品があるのだから、その前で手話をたくさん使っている様子を皆さんに見ていただきたいなと。最初はこの「こめっこ」のお二人による作品の前での対話はなかったのですが、プログラムの中で手話に触れる時間を増やしたいと考え、取り入れることになりました。

「こめっこ」のスタッフが作品の前で対話している様子(「ちっちゃなこどもびじゅつあー こめっこ回」紹介動画より)

藤吉:プログラム実施前には、一緒にプログラムを実施する方々と打ち合わせをして、毎回、もっと良くなるようにと少しずつ改善しながら行っています。

でも、流れは決めても、たとえば先ほどの「こめっこ」の対話でしたら、どういう対話にするかまでは一緒には決めません。そこは、彼らの視点で話したいことを話していただくことが大事だと思っています。

原:プログラムの最初に、手話による対話を見ていただく時間ができたことによって、子どもたちの反応に変化はありましたか?

藤吉:「こめっこ」さんたちの話を聞くことは、きこえない子もきこえる子も、とにかく楽しいようなんです。1つのプログラムの中で、そういう対話を見る時間が2回ぐらいあるのですが、 その時間の後、他の作品にも興味を持って見にいく様子が見受けられます。
それから、“作品の前で自由に話していいんだ”という雰囲気が自然と作られていって、そういう状況は子どもたちにとって心地よいというか、安心して次々と色んな作品をみていくことに繋がっているんじゃないかなと思います。

原:「こめっこ回」は、きこえる子も、きこえない子も参加して良いですよ、となっていますよね。それがすごくいいなと思いました。きこえない、きこえにくいお子さんのための手話のプログラムというだけでなく、きこえる子にとっても、英語、フランス語、そして手話というふうに、他の言語をを浴びる機会として受け取られているのかなと思いました。

藤吉:参加される保護者も、手話を練習中ですっていう方もいれば、いろんな言語にお子さんを触れさせたいからという方もいたりしますね。

「ちっちゃなこどもびじゅつあー こめっこ回」紹介動画より

即興的に、プログラムをつくっていく

原:ここまで藤吉さんのお話を伺って驚いたのは対話は即興的だということです。

藤吉:綿密な打ち合わせを重ねますが、現場での進行は即興的です。もちろんタイムテーブルを準備したりはしますが、小さいお子さんが参加されるプログラムは、やはりその日に何があるかわからないのです。たとえば、美術館に来る途中でこどもの機嫌が悪くなってしまった、などいろいろなことが起こるんです。それなのに、こちらが決めたレールに乗ってもらってプログラムを実施するのは非常に暴力的なことだなと思っています。その時のそれぞれの参加者の様子もふまえて、参加者の皆さんが作品に出会ったり、美術館を受け止めたりするのに一番いい状態になるように、運営側はみんなで相談して実施しています。スタッフ間でそういうコミュニケーションがすぐに取れるようになったのも、回を重ねてきた結果だと感じています。

今は「こめっこ回」のお話をしていましたが、きこえる子でもきこえない子でも、サポートが必要であったりとか、ケアが必要であったりするお子さんもいらっしゃるんですね。未就学児向けのプログラムに限ったことではないんですが、そういうことが起きた時にどのように対応していけるかをスタッフ間で日々話しますし、その現場のスタッフ間で必要なことは必ず共有しておきます。

原:スタッフ間の中で知見がどんどん溜まっていっているんですね。「フレキシブル」という言葉が頭に浮かびました。台本通りに進まないのが普通だみたいな構えでいらっしゃる。だからこそ注意深く、参加者の皆さんが今どういう状態なんだろう、どういうことを期待しているんだろう、どういうことが不安なんだろうということを敏感に感じ取るセンサーを働かせていらっしゃるような。

藤吉:受付に歩いて来られるところから観察していますね(笑)。怒っているのか、のんびりと来られるのか、子どもが走り回っているのか、とか。

原:美術館体験って、展示室に入ってからがスタートではなくて、家を出て電車に乗ってとか、チャイルドシートに子どもを座らせてとか、駐車場に停めてやってくるところから始まっているんだろうなと思いました。来る過程を知ることはできないけど、来た時の様子からきっとこうだったんじゃないかなと想像して柔軟に対応していらっしゃるのかなと。
何か、そういう研修をされたりしているんでしょうか?

藤吉:研修というよりも、その場で、経験的に予測し、観察をベースとして対応していますね。
そして、「ちっちゃなこどもびじゅつあー」ナビゲーターの「美術と絵本を考える会」の方々は学校や図書館の司書や、大阪国際児童文学振興財団統括専門員、児童文学の専門家でいらっしゃるので、小さいお子さんたちのことをよくご存知なんです。「こめっこ」さんも、こどもとのプログラムをずっと実施されている方々ですし。そういうメンバーが揃っているからこそでもありますね。

絵本よみに関しても、保護者の方々がアンケートで寄せてくださる言葉の中に、「こんな絵本の読み方があるんだと驚いた。私も今日見たような感じで、家で絵本を読んでみようと思う」というのもありました。ナビゲーターの皆さんの絵本よみで、子どもの興味関心の動き方が変わる様子を保護者の方は目のあたりにされて、刺激を受けることもあるみたいです。

原:なるほど。絵本の読み方なども含めた美術館体験を経て、帰ったらこうしてみようとか、次また来てみようって思うことにつながっているんですね。
今後は、どのような活動をご予定されているんでしょうか?

たくさんの機会をつくっていきたい

藤吉:「ちっちゃなこどもびじゅつあー」に関しては、なるべく頻度高くやっていきたいと思っています。もともと、子どもがあまり美術館にいない。小さい子どもたちが美術館に来づらいような状況があるんじゃないかなと考えて始めたプログラムなんですね。そうであれば、恒常的に実施しているような状況を作り出さないといけないと思うので、とにかく回数多く開催していくことを目指しています。

他には、小中高校、団体さん向けのプログラムは要となりますので、しっかりこれからもやっていきたいと思っています。
美術館を遠い存在だと感じている方々がまだまだたくさんいらっしゃる。子どもたちは特に、小学生であっても中学生であっても、彼らからはなかなか美術館に関わることはできないんですよね。残念ながらそうであれば、スクールプログラムといった学校対象のプログラムを実施していきたい。ずっと注力していますが、今後も変わらずに行いたいと思っています。

国立国際美術館では、コロナ禍になり、オンラインプログラムを開催するようになりました。そのことによって、逆に、今まで美術館に来ていなかった人たちが見えてきたんです。美術館は開かれていても、こっちはオープンしっぱなしで、あちらから来てくださる、時間とかやりくりしてなんとか来たいと思って来られる人だけが来てくださっていたと気づいた。だからこそ、こちらからアプローチして、美術館に関わっていただけるようなプログラムを開催したいなと思っています。

原:ありがとうございます。「ちっちゃなこどもびじゅつあー」の話から始まって、そもそも美術館というか、公共施設を開くってどういうことだろうみたいなことを考えながら、お話をうかがいました。

参加していただくことと、知っていただくこと、両方大事にしていきたい

藤吉:さきほど、できるだけ頻度高く実施したいと言ったのは、プログラムの様子を他の来館者にも見ていただくことが大事だと考えているからということもあります。
関わるスタッフだけの理解が進んだり、対応に長けたりしても不十分で。美術館には、いろんな場面があるんだとか、こういう人も美術館に行って、こういう体験をしているんだということを、他の来館者が見る機会が同時に増えていくことが重要だと考えています。参加していただくことと、知っていただくこと両方が同時に大事だと思っています。

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