国立アートリサーチセンター(NCAR)は「アートをつなげる、深める、拡げる」をミッションに、アートの魅力を拡げるため、NCAR Magazineにて情報発信ページ「CATCH!」を公開しています。次回更新は3月21日(金)予定です。
CATCH!2025年3月7日号がお届けするのは作品活用促進グループの作品の保存修復の取り組みです。
「アナログ写真の発展と文化遺産としての写真の保存」保存修復 講演会動画を公開

今回の講演会は、2つの発表で構成しました。1つ目は、日本の写真保存修復専門家、白岩洋子氏による「進化する写真-その技法と表現を追う」で、日本における写真技法の発展についてお話しいただきました。2つ目は、フランスの写真保存修復専門家、ゲノラ・フュリック氏による「文化遺産としての写真の保存と維持管理」で、写真の技法と保存に関する基礎知識から実際に行った写真の保存事例まで理解しやすく説明していただきました。
くわしくは【保存修復 講演会動画】「アナログ写真の発展と文化遺産としての写真の保存」をお読みください。
「文化財修復処置に関するワークショップ-モジュラー・クリーニング・プログラムの利用について-」報告書を公開

2025年2月14日、「文化財修復処置に関するワークショップ-モジュラー・クリーニング・プログラムの利用について-」の報告書を刊行しました。2023年10月25~27日に開催された、国立アートリサーチセンターと東京文化財研究所の共催「文化財修復処置に関するワークショップ-モジュラー・クリーニング・プログラムの利用について-」の報告書となります。講師はアメリカ人絵画保存修復専門家クリス・スタヴロウディス(Chris Stavroudis)氏。作品のクリーニングに使用する溶媒の配合をコンピューターでプログラム化したモジュラー・クリーニング・プログラムの開発者であり、世界各地で70回以上にわたり同プログラムのワークショップを実施してきました。本件は、アジアで初めてのワークショップとなりました。
くわしくは【報告書】「文化財修復処置に関するワークショップ-モジュラー・クリーニング・プログラムの利用について-」をお読みください。
Single Thread Bondingによる破れたキャンバスの補修

2024年、シドニーのニュー・サウス・ウェールズ州立美術館 にて、ゲティ保存研究所 のプロジェクトConserving Canvas Initiativeの枠組みの中でキャンバス画修復に関するワークショップが開催されました。このワークショップの参加者はアジア・太平洋地域の保存修復家を対象としており、国立アートリサーチセンターから公募のお知らせを日本国内に配信したところ、土師絵画工房の土師広さんが応募され選考を通って参加者30名のうちの1人に選ばれました。土師さんがこの技術を用いて修復された、東京国立近代美術館所蔵の油彩画作品の事例についてご報告を頂きました。
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(NCAR Magazine編集部)