編集後記
指導者研修も7年目を迎えました。初年度以来、研修プログラムは改善を重ねてきましたが、核となるグループワークの、休館日の美術館を独占し作品を前に何時間も話し合うという形は、変わっていません。これまでの受講者数は800名を超えました。これだけの数の教員と学芸員が、同じ体験をし、鑑賞教育を進めるリーダー的役割を担っているということは、大変なことです。「継続は力なり」という言葉を、今年はより噛みしめています。(一條)
本研修は今年で7年目を迎えますが、ここ数年、研修会が始まった当初と違って、鑑賞教育の実践経験を持つ参加者が多くなってきました。グループワークを見ていても、実体験を踏まえたうえでの具体的な課題についての意見交換がされていました。これは嬉しい変化です。また、企画側にもこれまでの研修を活かした変化があります。それは、過去の研修会参加者に、グループワークのサブ・ファシリテーターとしてご協力いただいていることです。このような形で参加者の方々とまた繋がりを持てるのは嬉しいと同時に、立場を変えての感想や気づきをフィードバックしていただけたら幸いです。(寺島)
今年も二日間にわたる指導者研修が終了しました。昨年度から二日に凝縮された研修の内容は非常に濃いもので、二日間を終えた参加者のみなさまからはお疲れのご様子も見えましたが、その一方で、「本当に楽しかった」「できることなら、また参加したい」などのお声も聞くことができ、それぞれが研修の内容に深く関わり、充実した時を過ごされたことが見て取れました。すでにそれぞれの現場でご活躍されている参加者の方々ですが、今回のグループワーク、講演、ワールドカフェ、ギャラリートーク分析で得られた経験と知見を各所で活かしていただき、更には、各地に潜在的にいらっしゃる鑑賞教育の次の担い手を支え、育てて行っていただければ幸いです。(藤吉)
今回の研修では「ギャラリートーク分析」のビデオ撮影と編集等、技術面からお手伝いをさせていただきました。編集の際、何度も何度も同じシーンを繰り返し見ることになりましたが、研修当日、講師の諸先生方のお話を聞いて、「あ、そういうことか!」と気づきを得るとともに、見ているようで見ていないものなのだなと強く感じました。 本記録集には2日間の記録とは思えないほどの濃厚な情報が詰め込まれています。 研修から時間が経つにつれ、記憶はともすると曖昧になったりもしますが、この記録集は(インターネットにつながっていれば)いつでも、どこからでも、何度でもご覧いただくことができますので、参加いただいた皆様をはじめとする多くの関係者の方々に、広く、末永く役立つことと期待しています。(室屋)
個人的な話ですが、インターン時代を含め、三度目の指導者研修を迎えます。一度目はインターンとして裏方の立場を、二度目はサブファシリテーターとしてグループワークに直接関わり、そして三度目の今年は、報告書を編集するという総括的な立場として関わらせていただくことが出来ました。三回を経て感じることは、この指導者研修が参加者の皆様にとって、鑑賞教育の一つの通過地点ではなく、「スタート地点」として機能しているということです。学校教員、学芸員、指導主事の皆様が、普段の業務から離れて場所で自分の鑑賞教育に対する思いや疑問を客観的に見る、そしてそれを共有することでまた新たな気持ちで再出発していく場として指導者研修は機能しているのです。特に、三度目の今年はアンケートを読みながら、参加者の皆様の「これから」の意気込みを一層感じ、現場に戻ってもこの初心を忘れずに日々頑張って頂きたいと思いました。(井上)
研修スタッフ・関係者リスト
講演 | |
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東良 雅人 | 国立教育政策研究所 教育課程研究センター研究開発部 教育課程 (併)文部科学省初等中等教育局 教育課程課 教科調査官 |
上野 行一 | 帝京科学大学こども学部児童教育学科 教授 |
ギャラリートーク分析 | |
三澤 一実 | 武蔵野美術大学教職課程研究室教授 |
一柳 智紀 | 新潟大学 教育学部 教育科学講座 准教授 |
本間 美里 | 東京都大田区立矢口小学校 |
ファシリテーター | |
小野 範子 |
茅ヶ崎市立小和田小学校 教頭 |
西村 德行 | 国立大学法人筑波大学附属小学校教諭 |
南 育子 | 墨田区立業平小学校 |
弘中 智子 | 板橋区立美術館 学芸員 |
朴 鈴子 | 京都国立近代美術館 学芸課 研究補佐員 |
齊藤 佳代 | 東京国立近代美術館 工芸課 研究補佐員 |
田中 晃 | 川越市立美術館 主査 |
濱脇みどり | 西東京市立田無第一中学校 |
三澤 一実 | 武蔵野美術大学教職課程研究室教授 |
松永 かおり | 東京都教育庁指導部指導企画課 |
サブファシリテーター | |
遠藤 詠子 |
箱根写真美術館 |
木暮 和代 | 市川市東山魁夷記念館 |
今井 陽子 | 東京国立近代美術館 工芸課 主任研究員 |
平谷美華子 | 東京富士美術館 学芸部 学芸課 学芸員 |
藤吉 祐子 | 国立国際美術館 学芸課 研究員 |
田村 沙理 | 鎌倉彫資料館 |
関 聖美 | 国立国際美術館 学芸課 事務補佐員 |
小池 研二 | 横浜国立大学 教育人間科学部 人間発達学科 准教授 |
木内 祐子 | 国立新美術館 学芸課 研究補佐員 |
亀井 愛 | 三井記念美術館 教育普及員 |
運営スタッフ | |
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一條 彰子 |
独立行政法人国立美術館 主任研究員(教育普及) |
小谷松誠司 | 独立行政法人国立美術館 本部事務局 室長(普及・研修担当) |
小川原 茜 | 独立行政法人国立美術館 本部事務局 係員(普及・研修担当) |
長谷川暢子 | 独立行政法人国立美術館 本部事務局 事務補佐員(普及・研修担当) |
藤田 汐路 | 独立行政法人国立美術館 本部事務局 事務補佐員(普及・研修担当) |
石川 華代 | 独立行政法人国立美術館 本部事務局 研修生 |
細谷 美宇 | 東京国立近代美術館 企画課 研究補佐員 |
今井 陽子 | 東京国立近代美術館 工芸課 主任研究員 |
齊藤 佳代 | 東京国立近代美術館 工芸課 研究補佐員 |
田島 秋桜 | 国立西洋美術館 庶務課 主任(事業担当) |
朴 鈴子 | 京都国立近代美術館 学芸課 研究補佐員 |
寺島 洋子 | 国立西洋美術館 学芸課 主任研究員 |
横山 佐紀 | 国立西洋美術館 学芸課 主任研究員 |
藁谷 祐子 | 国立西洋美術館 学芸課 研究補佐員 |
前薗 茂宏 | 国立西洋美術館 学芸課 研究補佐員 |
藤吉 祐子 | 国立国際美術館 学芸課 研究員 |
関 聖美 | 国立国際美術館 学芸課 事務補佐員 |
西野 華子 | 国立新美術館 学芸課 主任研究員 |
本橋 弥生 | 国立新美術館 学芸課 主任研究員 |
郷田 千晶 | 東京国立近代美術館 企画課 インターン |
内山 歩 | 東京国立近代美術館 企画課 インターン |
奥村 悠 | 東京国立近代美術館 工芸課 インターン |
平井 慧 | 国立西洋美術館 学芸課 インターン |
高木 文絵 | 国立西洋美術館 学芸課 インターン |
山口 美帆 | 国立西洋美術館 学芸課 インターン |
淺見 遥 | 国立西洋美術館 学芸課 インターン |
近藤 涼子 | 国立西洋美術館 学芸課 インターン |
岡村万里絵 | 国立西洋美術館 学芸課 インターン |
秋本真奈帆 | 国立西洋美術館 学芸課 インターン |
石黒芙美代 | 国立西洋美術館 学芸課 インターン |
鹿島 萌子 | 国立国際美術館 学芸課 インターン |
森本 陽香 | 国立国際美術館 学芸課 インターン |
立花由美子 | 国立新美術館 インターン |
樋口茉呂奈 | 国立新美術館 インターン |
技術スタッフ | |
室屋 泰三 |
独立行政法人国立美術館 情報企画室 主任研究員 |
布施 環 | 東京国立近代美術館 情報研究補佐員 |
数原 潔 | 国立新美術館 情報研究補佐員 |
記録編集 | |
井上絵美子 | 国立新美術館 学芸課 研究補佐員 |
国立美術館の教育普及事業等に関する委員会 委員 | |
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奥村 高明 | 聖徳大学 児童学部児童学科 教授 |
小野 範子 | 茅ヶ崎市立小和田小学校 教頭 |
長田 謙一 | 首都大学東京システムデザイン学部 芸術学研究室教授 |
西村 德行 | 国立大学法人筑波大学附属小学校教諭 |
濱脇みどり | 西東京市立田無第一中学校 |
東良 雅人 | 国立教育政策研究所 教育課程研究センター研究開発部 教育課程調査官 (併)文部科学省初等中等教育局 教育課程課 教科調査官 |
松永かおり | 東京都教育庁指導部指導企画課 |
三澤 一実 | 武蔵野美術大学教職課程研究室教授 |
南 育子 | 墨田区立業平小学校 |
山田 一文 | 埼玉県立総合教育センター |
編集 | |
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月岡 大輔 | 月岡編集企画室 |
撮影 | |
玉田 安夫 | スタジオダイス |
藤川 素子 | スタジオダイス |
イラスト | |
宇田川一美 | |
ウェブ | |
渡部 護弥 | イークリエイト ディレクター |
藍原麻衣子 | イークリエイト |