グループワーク 高校生対象
星グループ 「見方や感じ方を深める鑑賞」美術館を活用した鑑賞で大切なこと
- ファシリテーター:
- 星博人(福島県立葵高等学校 教頭)
- 受講者:
- 10名(高等学校教諭9名、学芸員1名)
- 課題作品:
- アルベルト・ジャコメッティ《ヤナイハラⅠ》1960-61年
グループワークの進め方
- 普段の活動で課題に感じていることを述べながら自己紹介した後、展示作品を自由鑑賞する。
- 課題作品の造形をことばで説明(ディスクリプション)をする。
- 課題作品の造形的な特徴から「見えるものを見えるとおりに」表現しようとした作者について知り、グループ全体で言葉によって共有する。
- 資料や学芸員の話からジャコメッティの対象(モデル)の考え方を知り、矢内原伊作とジャコメッティの関係について感じたことを言葉で共有し、互いの思いについて考える。
- 矢内原による作者の最期の文章を読み、作者の生き方について考えるとともに活動を振り返る。
- 2つのグループに分かれ、鑑賞の活動をもとに、美術館を活用する視点と高校生の視点で授業プランを作成して発表する。
グループワークを振り返って
作品をとおして「見えるものを見えるとおりに」表現することを追求し続けた作者(ジャコメッティ)と、そこに哲学的な意義をみたモデル(矢内原伊作)との友情を超えた信頼関係を、参加された皆さんで紡ぎ出す活動を行ないました。作品をもとに資料や学芸員からの情報等、多様な観点からの知識と、皆さんとの言葉の共有によって見方や感じ方を深め、2人の生き方や精神について思いを巡らしました。これらの活動が、受講された皆さんにとって鑑賞のあり方をさらに考えるきっかけとなれば幸いです。
(星博人)