ラーニング

活動紹介

ラーニンググループは、だれもがアートに出会い新しい価値や可能性を見出すことができるよう、現代の社会に求められる新しいプログラムや教材の研究開発に取り組み、情報の提供を行います。また、国内外の事例等を調査し、重要な視点や課題を明らかにしながら、研修など学びの機会をつくることで、日本の美術館全体に資する活動を行います。

画像 国立西洋美術館での作品鑑賞 撮影:中島佑輔

取り組み

01
学びのリソース
としての美術館

だれもがアートに出会い新しい価値や可能性を見出すには、美術館が持つ作品や情報などの資源が、学びのリソースとして利用できることが必要です。また、学ぶ人のニーズにあわせた方法や機会が、多様にあることも重要です。

例えばラーニンググループは、美術館が大人の学びにより活用されるよう、社会連携促進グループや国立各館と協働して、社会人の学び直しや企業研修に取り組みます。また、美術館の専門家や関心層に向けて、国内外の先進事例を共有するための、コンテンツの配信やフォーラムなどの学びの場を提供します。

画像 東京国立近代美術館での鑑賞風景

国立美術館のプログラム紹介

国立美術館の各館では、多様な方が美術館での学びを体験できるよう、さまざまな機会を設けています。小さなこども、中高生、そして障害がある方などに対応したユニークなプログラムや、展示室で作品を見るときに役立つ教材ツールなど、実際に行われている活動を動画で紹介します。

東京国立近代美術館
MOMATコレクションこどもセルフガイド(約2分)

作品を楽しむための教材ツールを紹介します。小学生や中学生が「セルフガイド」を使いながら、自分たちだけで美術作品をじっくりと見て楽しんでいる様子が伝わってきます。

東京国立近代美術館
MOMATコレクション セルフガイドプチ&みつけてビンゴ!(約2分)

小さなこどもが一緒に東京国立近代美術館を楽しむためのツールを紹介します。小さな女の子と親がこのツールを使って美術館のあちこちを楽しんでいる様子が見られます。

国立映画アーカイブ
NFAJセルフガイドで楽しむ国立映画アーカイブ常設展(約4分)

「映画ってどうやって撮るの?」をテーマにして、展示室にあるフィルムカメラの中や仕組みまで特別公開!中学生以下のお子さんが常設展をより楽しむための教材ツール「セルフガイド」も紹介します。

京都国立近代美術館
「感覚をひらくー新たな美術鑑賞プログラム創造推進事業」(約8分)

目の見える人と見えない人が作品を手でふれて対話し、さまざまな感覚を使いながら作品を味わう活動を紹介します。これまでのワークショップに参加した視覚障害のある方々が活動の魅力を語ります。

国立国際美術館
ちっちゃなこどもびじゅつあー 
~絵本もいっしょに~(約3分)

0歳からの小さなこどもと保護者が一緒に楽しむプログラムの様子です。絵本の読み聞かせで絵を見ることに親しんだら、本物の作品をじっくりと見に美術館デビュー!

国立国際美術館
ちっちゃなこどもびじゅつあー 
~絵本もいっしょに~ こどもの手話(ことば)を育む「こめっこ」回 (約5分)

きこえない・きこえにくいこどもたちが、おうちの人と一緒に美術館を楽しむプログラムの様子です。きこえないスタッフによる絵本よみのあと、一緒に作品を見ながら手話での会話を通して楽しみます。

国立新美術館
NACT YOUTH PROJECT 2022 新美塾!(約13分)

アーティストの下道基行さんを塾長に、13人の中高生が様々な体験を重ねながら表現することの楽しさを学ぶユースプロジェクト「新美塾」。2022年6月から半年間かけて開催されました。

02
こどもと学校

こどもたちが多様なものの見方に出会い、考え、心を豊かにはぐくむために、おもに学校教育に関してこれまで国立美術館本部が行ってきた事業を継承します。

例えば、国立美術館の展示室を活用しながら教員と学芸員が学び合う、鑑賞教育の指導者研修を開催します。また、授業で気軽に使えるアートカードや、学校のICT環境に対応したデジタルの鑑賞教材を通じて、学校でこどもたちがアートや美術館に親しみ、出会うきっかけをつくります。これらは、国立美術館各館の協力のもと、所蔵作品を活用して行います。

画像 指導者研修の様子

美術館を活用した鑑賞教育の充実のための指導者研修

国立美術館では、2006年度から、学校の教員や美術館の学芸員を対象とした鑑賞教育のための研修を実施しています。地域における学校と美術館の連携を目的とし、これまで全国から約1600人の教員、指導主事、学芸員が参加してきました。
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ダイジェスト映像(約7分)
対話鑑賞の様子(約10分)
アートカード

国立美術館アートカード・セット」は鑑賞のための教材です。アートカードの作品は、国立美術館の教育普及担当の研究員が、国立美術館の所蔵作品から、こどもの対話がはずむ65点を選びました。西洋の宗教画から国内外の現代美術まで、絵画・彫刻・版画・写真・工芸・デザインの幅広いジャンルにわたる、充実した内容となっています。

鑑賞素材BOX

国立美術館 オンライン教材「鑑賞素材BOX」は、小学校から高等学校までの授業で活用することを想定したデジタル教材です。アートカードに掲載された国立美術館所蔵の名作を、高精細画像で電子黒板へ投影したり、タブレット端末へ配信したり、作品を用いてワークシートを作成したりすることができます。

03
健康と
ウェルビーイング

近年、健康や幸福に関わる「アートの役割」についての研究が欧米を中心に進み、アートの性質が健康に貢献することが明らかになってきました。ラーニンググループでは、人々の健康や幸福に関わるアート活動に注目して調査研究を行い、特に超高齢社会の現代において、健康やウェルビーイング(Wellbeing)を支えるアート分野の活動を具体的に検討し、福祉・医療分野の機関や大学等と連携して取り組んでいきます。

画像 高齢者を対象としたプログラム 撮影:中島佑輔

研究プロジェクト
「共生社会をつくるアートコミュニケーション共創拠点」

東京藝術大学をはじめとした大学・企業・団体による「芸術と福祉とテクノロジーをつなぎ、誰もが孤立しない共生社会を目指す」プロジェクトです。
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04
アクセシビリティ

だれもがアートに楽しめるよう、美術館へのアクセシビリティを高める事業を推進していきます。例えば、美術館を利用するにあたって障害となっていることを調査し、対応できるコンテンツやツールを開発します。さまざまな利用者層を視野に入れ、誰もが公平に、自分らしく美術館やアートを楽しむための方法を考え提案します。

画像 国立西洋美術館での鑑賞風景

Social Story(ソーシャルストーリー)

「Social Story はじめて美術館にいきます。」は、主に発達障害がある方とその家族に向けた美術館案内です。発達障害の方をはじめ、美術館にはじめて訪問する方、利用することに不安を感じる方などが、どなたでも美術館を楽しみながら過ごすことができるよう、わかりやすく説明した冊子です。全ての国立美術館(7館)版をラーニンググループが企画・制作しました。

各館のPDFを、以下よりダウンロードすることができます。

お問い合わせ
(ラーニング担当)