ごあいさつ

独立行政法人国立美術館は、平成18年より毎年「美術館を活用した鑑賞教育の充実のための指導者研修」を開催しています。6年目となる今年から、これまで冊子として発行してきた研修記録を、ウェブサイトでの公開に切り替えることになりました。これにより、鑑賞教育を推進する立場にあるより多くの方々に、研修成果を共有していただけるようになるのではないかと期待しています。

平成23年度の研修は、8月1日と2日の両日、国立西洋美術館と国立新美術館を会場に開催されました。受講者は、都道府県と政令指定都市の教育委員会から推薦された、小・中学校の教員、指導主事、美術館学芸員あわせて101名です。

研修内容は、若干リニューアルされました。過去の受講者へのアンケートやヒアリングをもとに、これまでの研修内容を検証し、日数は短縮しながらも凝縮された内容となるよう変更しています。ポスターセッションやギャラリートーク分析は、今年度からの新しいプログラムです。

6年前にこの研修がスタートした頃と比べると、学習指導要領の改訂などもあり、鑑賞教育を取り巻く状況は大きく前進したといえるでしょう。子どもたちの豊かな学びのために、学校と美術館がどのように連携すればよいか、今後も引き続きみなさんとともに探求したいと思います。

平成23年9月

独立行政法人国立美術館理事長
青柳正規