グループワーク 高校生対象

亀井グループ みるからみつめる、感じ取り、深める鑑賞へ向けて―高校生の鑑賞

ファシリテーター:
亀井愛(三井記念美術館 教育普及担当)
受講者:
10名(高等学校教諭6名、学芸員3名、指導主事1名)
課題作品:
エドモン=フランソワ・アマン=ジャン
《日本婦人の肖像(黒木夫人)》1922年
グループワークの進め方
  1. 自己紹介とともに鑑賞について日ごろ思っている課題の発表
  2. 持ち寄った「写真」を使って鑑賞と観賞の違いを知るウォーミングアップ活動
  3. 《日本婦人の肖像(黒木夫人)》をみて、事実(客観)と印象(主観)を書き出すグループ活動
  4. グループ活動の内容を全体で共有
  5. 作品に関する資料を読み、印象の変化を全体の話し合いで共有
  6. 高校生にとっての鑑賞で大切にしたいことをグループで話し合い、発表して全体で共有


  • 事実と印象を書き出す活動

  • 作品に関する資料を読んで印象の変化を共有

  • 鑑賞で大切なことを発表・共有

グループワークを振り返って

様々な課題意識をもっていた私たちのグループでは、1人で、グループで、全員で“みて”、言葉にし、共有することを繰り返して、あらためて鑑賞について考える1日を過ごしました。国立西洋美術館ならではの作品と向き合い、理解を深めていく作業によって、高校生の鑑賞で大切にしたいことについて話し合うことができたのではないでしょうか。グループの皆様への感謝とともに、今後の各地でのご活躍をお祈り申し上げます。(亀井愛)

星グループ 見方や感じ方を深める鑑賞へ向けて

ファシリテーター:
星博人(福島県立保原高等学校 教頭)
受講者:
10名(高等学校教諭7名、学芸員3名)
課題作品:
ル・コルビュジエ《Lèa》1931年(絵画作品)
同《国立西洋美術館》1955-1959年(建築作品)
グループワークの進め方
  1. 鑑賞補助教材アート・キューブを使ったアイスブレイク
  2. ル・コルビュジエの絵画作品からその特徴や背景、作者について知り、グループ全体で言葉によって共有する
  3. 西洋美術館内を空間の変化を視点に巡り、感じたことを言葉で共有して作者の考えや理論について知る
  4. 活動を振り返るとともに、作者の最期の解説文を読み、生き方について考える
  5. 鑑賞で大切にしたいことを、美術館を活用する視点と高校生の視点で話し合い、まとめる


  • 絵画作品について話し合う

  • 建築作品から空間を味わう

  • 鑑賞について話し合う

グループワークを振り返って

一人の作者の精神や生き方について、建築作品と絵画作品の双方向から多様な観点で見方や感じ方を深め、鑑賞で大切なことを参加された皆さんと紡ぎ出す活動は、国立西洋美術館ならではの試みでした。ル・コルビュジエの二項対立の要素(機械と生命、有機形と無機形、強さと弱さ)は、私たちが言葉の共有によって積み上げた主観的な読みを揺さぶり、時代や社会の中で矛盾と葛藤に生きた一人の人間像を浮かび上がらせました。これらの活動が、受講された皆さんにとって鑑賞のあり方をさらに考えるきっかけとなれば幸いです。(星博人)