講演

「自分にとっての価値をつくりだす創造活動
- 活動の主体者の内面に重点を置いた鑑賞の活動 -

講師:
東良雅人
(文部科学省初等中等教育局教育課程課 教科調査官(併)国立教育政策研究所 教育課程研究センター研究開発部 教育課程調査官)
日時:
8月4日(月) 9:50~10:40
場所:
東京国立近代美術館
講師略歴:
昭和62年に京都市立の公立中学校の美術科教諭として赴任。 その後、京都市の公立小学校図画工作の専科を担当。 平成14年から平成23年3月まで京都市の教育委員会で指導主事を務める。 平成23年4月より現職。

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「育成する資質・能力を明確にした鑑賞教育」

講師:
上野行一
(帝京科学大学こども学科 教授)
日時:
8月5日(火) 15:10~16:00
場所:
国立新美術館
講師略歴:
大阪教育大学大学院修了。 公立学校教諭、高知大学教育学部教授を経て、2010 年より現職。『私の中の自由な美術』(光村図書、2011年)等著書多数、NHK番組委員として、高校講座「美術」を監修。

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受講者アンケート(講演)

受講者感想(抜粋)

小学校教諭

  • "学習指導要領における鑑賞の捉え方として「つくる」ということに共感できた。
  • 2016年の新学習指導要領を見すえて鑑賞教育について考えることができた。また他の国のプログラムや教育、育てたいと能力について目をむけたいと感じた。鑑賞授業については、素晴らしい内容で、学ばせてもらった。
  • 作品を見て子どもたちが言ったこと、そしてそれに対して教師が言ったことを見せてもらい、とても参考になった。知識も与えながら子どもの言ったことに寄り添って上手に返せるようになりたい。
  • 対話型鑑賞の多くは、作品を好き勝手に語っているだけで終わっていたので、本当にそれで良いのかずっと疑問に思っていた。主題の探求は絶対必要!といわれてすっきりした。
  • 「子どもは豊かな存在である」「鑑賞は…自分の中に新しい価値をつくり出す学習」という言葉が心に残った。新しい時代の目指す学び、ということをふまえての上野先生のお話、昨日からの研修のいろいろが裏付けられる講演内容だった。
  • 育成すべき資質―能力を起点とした美術鑑賞とは何かということで今までよりも踏み込んでいく鑑賞が示されたように思う。ゴールがはっきり定まらないというのは考える側として不安もあるがある意味今までより幅広く子どもを受け止めることができることとして授業に取り組んでいきたい。
  • 育成する資質・能力と発達特性とクロスさせて指導していくことの大切さがわかった。
  • 21世紀型学力は対話による美術鑑賞にあてはまる面が多い。答えのない課題を協働で作り上げていく大切さが良く理解できた。今後の教育に参考になった。
  • 美術教育に限らないこれからの(未来の)教育という器の中で鑑賞教育がどうあるべきなのかを考える事ができた。

中学校教諭

  • 自らの鑑賞授業を思い返しながら足りないところを再認識することが出来た。2013年新学習指導要領の美術・文化は、社会でも美術でも2つの教科でとりあげるべきだと感じた。
  • これから鑑賞教育の方向性や学習者中心の鑑賞教育について、また対話型鑑賞のお話をたっぷり聞く頂くことで、たくさん学んだ。
  • 鑑賞教育を行っていく上で、我々が考えていかなければいけない課題がわかった。
  • 発達段階に応じた教育の重要性が分かった。また、これからの教育の方向性についても大いに考えさせられた。
  • 子どもの発達と育てるべき資質や能力を明確にした学習課題(授業)の創造について、より考える事ができた。
  • これかた鑑賞教育についてのヒントを与えてくれた。将来の会社の中で本当に必要な生きる力とは?市民の感覚を身につける上でも鑑賞教育の大切さを再確認した。今、出来ることから実施しようと思う。
  • 作品と子どもの出会わせ方の大切さ、発達段階を考えた作品の選び方を学んだ。2つの講演で学んだ事を実践で生かしていきたい。
  • 指導要領と鑑賞との繋がりが、具体的に見えてわかりやすかった。

指導主事

  • 東良先生の講演では学習指導要領のとらえ、上野先生の講演では美術館鑑賞と学枝教育での鑑賞をつなげて知ることができた。
  • 図工関連教育の最近の状態について知る事ができ、改めて鑑賞教育の大切さを認識する事ができた。
  • 東良先生のお話は未来を伺うことができ、興味深かった。

学芸員

  • 実物を鑑賞する、美術館を活用することの意義がよく伝わった。学校現場、美術館両方の立場と役割を知っているものとして今後に活かしたい。
  • 東良先生・上野先生ともに内容が具体的で、非常に勉強になった。学習指導要領や今後に育みたい能力を据えて、鑑賞教育を捉える事、発達段階を見極めて課題を考える事など、今後役立てていきたい。
  • アメリカの美術館の教育の現状について具体的事例を交えその理念を提示してくださったことや《落葉》の事例が大変興味深かった。
  • 最新の動向等を知る機会になった。課題設定が明確で、抽象的になりがちな鑑賞のねらいがハッキリし勉強になった。
  • 今まで美術館の枠の中でしか考えていなかったが、日本の教育事態がどのような方向へ向かっているのか、見取り図を知ることができたのは、今後にも有意義な事だったと思う。
  • 教育現場でのプログラム、発達に合わせた作品選びがいかに重要かということが分かった。
  • 学習課題と学習実践をどのようにつなげていくのかヒントになった。またバリエーション多く子どもと真剣に向き合っていかなければという責任感を感じた。
  • 東良氏の講演は鑑賞教育を考えていく上で、前提として認識しておくべき事を、分かりやすく伝えて下さってとても勉強になった。
    上野氏の講演では中学生相手のギャラリートークの際にどこでどんな言葉をファシリテーターが発したら良いかと言う点が非常に参考になった。