アートカードワークショップ / 鑑賞教育の活動紹介

アートカードワークショップ

アートカードは美術作品の写真をカードにしたもので、近年、鑑賞教育教材としての利用が進んでいます。独立行政法人国立美術館では、2008年と2011年に「国立美術館アートカードセット」を制作し、学校への貸し出しや販売を行っています。研修2日目の昼休みには、このアートカードセットを使って、国立美術館インターンによるワークショップを行いました。

日程:
8月4日(火) 12:00~12:50
会場:
国立新美術館 1階ロビー
目的:
代表的な3通りのゲームを紹介し、アートカードの活用方法を知る。
方法:
国立美術館インターンは、アートカードを用意して待つ。
その他の受講者は、アートカードを使ったゲームを通して、アートカードの活用事例を知る。

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鑑賞教育の活動紹介

美術館の教育普及活動は、個々の館の特徴を活かして行われるため、美術館の数だけ活動のバリエーションがあるとも言えます。本研修に参加している美術館や学校にご協力いただき、「美術館を活用した鑑賞教育活動」を紹介する印刷物を2日目の昼休みに設置し、自由に持ち帰ることができるようにしました。

日程:
8月4日(火) 12:00~12:50
会場:
国立新美術館 1階ロビー
目的:
学校と美術館のより良い連携のために、美術館での多様な鑑賞教育活動を紹介する。
方法:
学芸員は、与えられたテーブルに自館の教育活動がわかる資料(チラシやファイル)を用意して待つ。
その他の受講者は、興味のあるテーブルを自由に回りながら、資料を集めたり学芸員と話したりして、さまざまな事例を知る。

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受講者アンケート

受講者感想(抜粋)

小学校教諭

  • 活動紹介の資料は、コンパクトな中にも鑑賞のエキスがつまっており、参考にしたい試みや実践がたくさんみつかりました。アートカードは、実際に自分がやってみることが大切だと再認識しました。
  • アートカードをどのように活用していくかが具体的に分かりました。さっそく2学期からアートカードを活用した鑑賞活動を行っていきたいです。活動紹介コーナーについては、全国の先生方や美術館の取組について知ることができ、また鑑賞についての自分のこれまでの取組を紹介する機会をもつことができてよかったです。
  • 3パターンの実践例をインターンの方々が丁寧に説明してくださり、子どもの気持ちになって活動することだけができ楽しかったです。実際にワークショップ形式で活動することで、「もっとこんなルールを加えたら・・・」等参加者の中から新たなアイディアも生まれていました。活動紹介コーナーは、実際にギャラリートークで使用されたワークシートを今後参考にさせて頂きたいと思いました。
  • アートカードワークショップは、初めての体験でした。ゲーム感覚で絵を楽しく見られるだけでなく、何気なく友だちの絵を見る視点が聞けるので、1人で絵を見ているより多面的に絵を見ることができると思いました。 作品をみんなで共有すること、友だちの意見を受け入れること、友だちの意見に驚いたり友だちの意外な姿を発見したり、鑑賞を超えた人間関係形成にも役に立てるワークに感心しました。
  • アートカードのゲームを楽しく親切にレクチャーしていただき、子どもたちが活動する様子を想像しながら体験できました。活動紹介コーナーでは、各地の美術館や先生方の実践が分かり、刺激をいただけたのと同時に、美術館と学校との連携の大切さや意義、難しさを改めて考えさせられました。
  • アートカードはとても楽しく、題名が書いていないことが想像力を働かすことができて良かったです。1つだけにとどまらず複数の国立美術館の所蔵作品に触れられる良い機会にもなるので、遠方でも可能ということだったので貸出をお願いしていくことも視野に入れて考えています。コーナーではインターンが丁寧に説明してくれて触れ合いながらより楽しくできました。多くのこどもたちに楽しく鑑賞できるとても良い教材だと実感しました。

中学校教諭

  • インターンの皆さんが積極的に声掛けをしてくれていたので、抵抗なくワークショップに参加することが出来ました。グループワーク同様、手順を覚えて行っても実際に体験する人の疑問や細かい質問・条件など予想が及ばないことがあります。今回アートカードのワークショップを体験したことでルールの応用も考えられそうです。 活動紹介コーナーではテーブルに表示をしていただいたことで手に取りやすかったです。
  • たくさんの活動紹介の資料をご準備して頂き、全国の取り組みを知ることができました。あのような機会は滅多にありませんので、とても有り難いと感じました。昼食の時間と兼ねてあったことと、活動紹介の資料を頂くのに人が多くて思いの外時間がかかってしまったので、アートカードの体験をする時間がほとんどなかった点が強いて言うならば少し残念でした。しかし、1回は体験でき、とても興味深かったので、後日国立の美術館で購入し、持ち帰りました。授業や部活で是非活用してみようと思います。
  • 立派なアートカードで驚きました。四季のカレンダーづくりの体験をしました。カルタの要素をとりいれてくださり、積極的に活動できました。授業参観などに活用したら、保護者の方に生徒の活動を楽しく見ていただいたり、一緒にゲームに参加していただいたりして楽しい授業になるなと思います。ぜひ、試して見たいです。本市美術館にも確か用意されていたので、美術館学習の事前授業でも利用できそうです。
  • アートカードを使った様々なゲームを知り、鑑賞の導入段階では大変有効になると感じました。 またカードには作者や題名などのテキストがなく、指導者の意向に合わせ、いろいろな方法で使用可能な配慮がなされていることも感心いたしました。
  • 活動紹介コーナーから得た情報は、自分の視野を広げることになりました。そしてワークショップに実際参加したことで具体的に体感することができ、楽しさとともに内容理解を深められました。
  • 全国の美術館が、こんなにも精力的に鑑賞プログラムを行っているという事実に驚きました。全国の美術館の活動を参考に、地元の美術館にも相談を持ちかけ新たなプログラムをつくっていきたいです。

指導主事

  • 全国の美術館が実際に使用しているワークシートやカード等の資料を一同に手にとって見ることができ、自県の美術館における児童生徒の鑑賞活動を深める補助教材の充実に生かすことができるたくさんのヒントを得ることができました。
  • 実際に自分がアートカードを使ってみると、楽しさややり方のコツなどが分かってよかったです。
  • アートカードの具体的な活用方法を体験することができ有意義でした。
  • アートカードについては、当館では予算の都合上、手作りしたものを貸し出しているのですが、利用方法についてもっと分かりやすくしたいと思いました。

学芸員

  • 初めて実際にカードを使ってゲームをして、すごく面白かったです。同じカードで複数のゲームが出来るのも良いですし、新しいルールを考えるなど用途も広く、美術への興味の入口になる素晴らしい教材だと思いました。職場の所蔵作品でも作成してみたいと考えています。
  • アートカードワークショップは初めて行いましたが、絵を通して様々な楽しい学びができると実感し、今後に活用したいです。活動紹介コーナーは、様々な館が行っている事例が学べてよかったです。紹介している方とも話しができることは、どんな思いでプログラミングしているのかを直接聞くことができ、紙面からは分からないこともすぐに質問することができたので非常に良い機会でした。
  • アートカードを使った試みは全国に広がりを見せているが、改めてその面白さ、そして気軽さを知ることができました。生徒たちからことばを引き出すのに優れたツールだと思います。活動紹介コーナーでは各館、あるいは学校の先生の取り組みについて、情報を共有できる良い機会でした。
  • 活動紹介では、当館の普及活動のヒントになるものがたくさんあり、今後の企画等に役立てていきたいと思います。アートカードワークショップの内容や、雰囲気づくりに関しても大変参考になりました。