ファシリテーター
西村 德行(東京学芸大学 総合教育科学系 教育実践創成講座 准教授)
サブファシリテーター
中根 誠一(東大和市立第十小学校 教諭)
「子供たちが思わず絵を見たくなる言葉を考える」をテーマに、東近美の作品を使ったゲーム(大喜利大会)を行ないました。生活や社会の中の形や色、美術や美術作品などに豊かに関わるためには、どのようにすれば子供たちの中に問いが生まれるのか、また対象に働きかける力を引き出せるのかを、「言葉」を柱にして検討しました。鑑賞活動における子供たちの見ることの深まり、学年の発達段階、使う作品の妥当性を、繰り返し考えることの大切さを実感しました。
オンラインでの実施となりましたが、そのことで鑑賞することや話し合うことの意味を、あらためて考えるよい機会となりました。グループワークでは「言葉」をテーマとしましたが、グループで話し合いながら、参加いただいた皆様の見方や、日頃の子供たちへの思いが伝わってきて、私自身とても有意義な時間となりました。オンラインではありましたが、素晴らしいメンバーと交流させて頂き、感謝しております。ぜひ次は、対面でお会いしたいですね!(西村徳行)
10名を分割することで、小グループの活動が入り、参加者がより主体的に研修に参加することができました。また、児童の立場になって端末の作品を鑑賞することで、見方や感じ方の広がりを実感することができました。最後に、美術鑑賞に対して「固いイメージ」や「〜しなければならない」という先入観を抱いていた参加者がいた場合、ゲーム形式のワークショップを実施することで、それらのネガティブなイメージを払拭することができると実感しています(グループ活動の前後では参加者の安堵感も随分、違っていたと感じました)。(中根誠一)
ファシリテーター
松永 かおり(世田谷区立砧南中学校 校長)
受講者のみなさん全員に、ICTを活用した鑑賞授業を組み立てる体験をしていただきました。協議で他の方の考えを共有することで、同じ鑑賞素材BOXを使っても多様な方法や迫り方があり、新しい鑑賞教育の可能性を感じていただけたのではないでしょうか。「対面でも、オンラインやバーチャルでも、変わらず目標や指導のねらい、活動の意義などのポイントがある」という共通理解を、協議の中から得ることができました。
今回の研修会がオンライン開催であることや、全国の学校共通でギガ端末の活用が進んでいるため、共通テーマは「ICT活用による鑑賞教育の可能性」を選択しましたが、協議では「主体的・対話的で深い学び」や「個別最適な学びと協働的な学び」の話題にも自然に発展していきました。受講者の皆さんの活発な協議のおかげで、充実したGWとなったことに感謝申し上げます。みなさんの、各地域でのご活躍を心からお祈りしています。
ファシリテーター
道越 洋美(藤枝市立大洲中学校 教頭)
午前中の対話型鑑賞を生かし、まず全員で抽象作品の比較鑑賞を行ない、その後個人で授業プランを考えました。小グループ協議の後に再び10人で共有したところ、ICTの効果的な活用については、即実践に結びつくような例が数多く提案されました。教員や学芸員など、子供の学びの姿をイメージしながら話し合い、鑑賞教育の良さを再確認できた時間となりました。
初めてのオンライングループ・ワークに進行役としての不安はありましたが、参加者の方々の主体的な取り組みと明るい笑顔に救われて時間があっという間に過ぎました。「造形的な視点をもって世界を見る」見つめる対象は、自分自身であったり社会であったりとその時々によって変わりますが、その素晴らしさと面白さをGWのメンバー全員で感じることができました。まさに、自分としての意味や価値をつくり出したと思います。学びが深まるということの具体について考えることができ、充実した時間となりました。ありがとうございました。
ファシリテーター
星 博人(福島県立橘高等学校 教頭)
4グループは高校の先生方が多いことから、作品の背景にある生活や社会,時代などを分析的、総合的に捉え、見方や感じ方を深める鑑賞についてグループワークを行ないました。「ICTを活用した鑑賞教育」をメインのテーマとし、インターネットを利用して画像や文献、描いた場所の現在の様子を閲覧するなどして新たな資料を読み取り、鑑賞を深めました。初見での印象から、資料を読み取ることをとおして見え方が変わることを体感し、ICT活用の可能性を探りました。
鑑賞活動で大切にしたいこととしてグループの皆さんと共有したことは、生徒の自由な見方や感じ方を大切にしながら、作品の背景を分析的、総合的に捉えさせるためには、どの情報をどこでどのくらい提供するか吟味すること、生徒の発達段階や習熟度など実態を踏まえてねらいを明確にすることでした。また、ICTの効果的な活用は、美術館連携の機会を増やし鑑賞活動に幅をもたせることができるということでした。受講された皆さんとともに鑑賞のあり方について考える貴重な時間を過ごすことができました。