今年度の開催にあたっては、新型コロナウィルス感染状況を見ながらの困難な決断を迫られました。もともと密を避けるために、東京・京都・大阪・金沢の4会場での分散開催を計画していたのですが、8月の第5波の収束を見通せず、9月にはオンライン開催に舵を切ることに。美術館での研修参加を楽しみにしてくださっていた受講者には残念ではありましたが、一方で、「オンラインでもここまでできる!」と感じていただけたのではと思います。オンラインでのグループワーク進行に果敢に挑戦してくださったファシリテーターのみなさまに感謝いたします。(一條彰子|東京国立近代美術館 企画課 主任研究員)
初めてのオンライン双方向での指導者研修。事前打ち合わせでは長いと疲れてしまうのではと懸念されたグループワークでしたがとんでもない! 集中力も意欲も途切れることなくむしろ時間は足りないくらいで、この勢いが不自由な時節の先にある可能性を引き寄せるパワーとなるのだろうと、ご参加いただいた皆さんの"熱"に励まされた気持ちです。ありがとうございました。遠くない未来に直接お目にかかれる日を楽しみにしています。(今井陽子|国立工芸館 工芸課 主任研究員)
今年度は昨年のシンポジウムに続きオンラインでの開催となりました。2日目の事例紹介の中にも、現状を反映してオンラインの活用や出張授業など、美術館以外の場で行なわれた実践がありましたが、ICTの活用を含め、表現、鑑賞のつながり、中には他教科横断の取り組みと、様々な活動が有機的に結びついて、学びが広がり深められる様子が印象的でした。職場の自席にいながらも、全国の皆さんとつながり、鑑賞教育について様々な観点から考え直す、刺激的な2日間となりました。ありがとうございました。(酒井敦子|国立西洋美術館 学芸課 主任研究員)
感染症の行方がよくわからないまま、オンラインだからこそ、参加者が全員希望通りに参加できたことは非常に重要だったと思います。当然、美術館に実際に赴き、作品を見て、参加者と対面で語り合う良さは十分にありますが、オンラインでも全国規模で同じ目的意識を持った参加者とつながり、このような時期にあるからこそ、子どもたちにとっての鑑賞学習のあり方、指導者である方々の役割を語り合えたことは、オンラインの可能性をいかんなく発揮していたのではないかと思います。全国にいらっしゃる先生方がライン(線)でつながることによって、より先生方のそれぞれの拠点での存在を意識でき、力強く思えた会となりました。ありがとうございました。(藤吉祐子|国立国際美術館 学芸課 主任研究員)
各館現地での開催がかなわず残念ではありましたが、学校でのICT活用が広まりつつある中オンラインで研修を実施できたことで、受講者の皆様にも、私たちスタッフにも、多くの学びがあったものと感じています。デジタル鑑賞教材やオンラインプログラムなど、美術館の活用方法にも様々なバリエーションが生まれていることをご紹介できる貴重な機会となりました。(細谷美宇|東京国立近代美術館 企画課 特定研究員)
京都国立近代美術館では、オンラインでも美術館に「来た」実感を持てるようにと、二人のファシリテーターと共に展示室内からのライブ配信を行ないました。その後のグループ活動を通して、オンラインでできることや、本物に触れることの大切さについて議論が深まる機会になりました。(松山沙樹|京都国立近代美術館 学芸課 特定研究員)
コロナ禍でも変わらず重要である鑑賞教育における学びや、今現場で抱えている課題について、子どもの姿を思い浮かべながら取り組まれる参加者みなさまの熱心な様子を拝見しました。特にグループワークでは、実際にオンラインでの鑑賞を体験することで、その利点や難しさを具体化させながら議論されており、日々の現場にもつながるたくさんの視点がうまれ、私自身も大きく刺激を受けました。2日間誠にありがとうございました。(山中悠|国立国際美術館 学芸課 特定研究員)
今回の研修では、グループワークのサポートと事例紹介の司会を担当しました。初日は、端末画面越しに意見を交わすことへの戸惑いや緊張が受講者から伝わってきましたが、2日目の事例紹介後のワールドカフェでは、オンラインのディスカッションにも大分慣れた様子で、各ルームで活発な議論が展開されていました。受講者の皆様には研修で得た知識やアイデアに加え、オンラインの経験も糧に、各地域で鑑賞教育を牽引していっていただきたいと思います。(吉澤菜摘|国立新美術館 学芸課 主任研究員)