グループワーク3

国立国際美術館

渡邉グループ/遊免グループ

07 渡邉グループ 
オンラインでも主体的・対話的に学ぶ鑑賞の授業

ファシリテーター
渡邉 美香(大阪教育大学 教育学部 准教授)

概要

「①主体的・対話的な深い学びと鑑賞教育」に取り組みました。オンラインでの学習は受け身になりがちなので、主体的に取り組む手立てとして、作品を見て自分の考えを表現できる項目を備えたワークシートを用いました。自分の考えを互いに伝えあうことで対話的な深い学びが生まれます。参加者が考案した題材案の中には、午前中の講義の内容を反映させICTの活用を考えたもの、個と協働による学びを考えたものなどもあり、②、③のテーマにも触れることがありました。

課題作品
国吉康雄《乳しぼりの女》1923年
小林孝亘《Forest》2000年
活動内容
  1. 自己紹介と午前中での学びについて簡単な振り返り、及びオンライン研修にあたり、現代美術作品を扱うことの困難さや著作権への配慮等の確認。
  2. 3枚のワークシート(絵の中のキャラクターの特徴を書き出すもの、詩を作るもの、ストーリーマップ)を用いた課題作品の鑑賞、内容の共有
  3. ワークシートの内容をもとに「鑑賞素材BOX」から作品を選択、各自で題材を考案。
  4. 題材案の発表:瑛九《れいめい》をはじめ抽象的な作品や現代美術が多く選択され、画面の全体/部分から気づきを促すもの、言語に加え触覚や音に置き換え色や形に気づかせるもの、表現を通して想像力を広げるもの等、ぜひ実践していただきたいような興味深い題材案多数。
感想

本グループには、日頃から鑑賞教育に熱心に取り組んでこられた指導者が多く、終始意欲的に活動され、あっという間に時間切れとなりました。各自で考案する題材では、元のワークシートの解釈を深め、対象学年に応じて、組み合わせたり設問を変更したり、表現活動につなげたり、教科横断的な視点を取り入れたりと様々なアレンジが生まれ、受講者の皆様の豊かな発想力に驚かされました。今回はオンライン研修で実際に来館できない受講者の皆様のために、スライドの上映やカメラの設置など国際美の皆様が演出下さいました。学ぶことも多く充実した時間を過ごさせていただいたことに感謝いたします。


08 遊免グループ 
リアルな鑑賞活動のためにICTの活用

ファシリテーター
遊免 寛子(兵庫県立美術館 学芸員)

概要

予め設定されていた「①主体的・対話的な深い学びと鑑賞教育」「②個別最適な学びと協働的な学び」「③ICTを活用した鑑賞教育」のいずれかに限定するのではなく、学習指導要領のポイントを押さえた上で、美術館のデジタル画像を活用した授業あるいは事業案を検討いただきました。参加者からは、学校、美術館、教育委員会と、それぞれの置かれた環境の中で、未就学児から小学生、中学生、高校生、美術館来館者とさまざまな対象者に向けた多様な活動案が提案されました。

課題作品
鑑賞素材BOXから自由に選択
活動内容
  1. 全員で 自己紹介(実践紹介と課題の共有)
  2. 2班に分かれて(A班:小学校教諭2名、学芸員1名、指導主事2名/B班:中学校教諭3名、高等学校教諭1名、学芸員1名) それぞれの現場での実践を目指し、鑑賞素材BOXを活用した授業あるいは事業を考案。 活動案を各自発表して共有。小グループ内で意見交換。異なった立場からアドバイスしあう。 活動案を改良。
  3. 全員で 最終案を各自発表して、全体に共有。グループ全体で意見交換。
感想

今回はこれまでとは異なり、オンライン且つさまざまな校種や業種が混じり合うグループ構成でした。そのため各自が現場で抱える課題も多様であろうと想定し、研修後に実現可能な活動案を個別に考えていただきました。ただその中でも参加者同士の交流を促進するため小グループでの活動時間も設けました。参加者の皆さんからは、リアルな活動を重視しつつデジタルツールを巧みに活用した多彩な案が出されました。みなさんのおかげで私も多くの学びを得ました。