ファシリテーター
星野 立子(新潟市新津美術館 副主査 学芸員)
サブファシリテーター
今井 陽子(国立工芸館 工芸課 主任研究員)
一作品を丁寧に鑑賞すると、思った以上に多くの発見や情報が得られること。その体験に基づいた授業づくりは、教科の別や鑑賞/創作の垣根を超えた拡がりを持ち得ること。そして、自ずと鑑賞者の実感や実生活と結びついた内容となること。グループワークを通じて辿り着いたこうした一連の気付きは、当初隠れたテーマとして掲げていた「主体的・対話的な深い学びと鑑賞教育」に、結果として明確に応じるものであったように思う。
受講者の方々から、創作や言語活動、地域文化の学習等と結び付けた魅力的な授業案が次々提示された時、出発点として「作品をよく見ること」の重要性と可能性を再認識しました。参加者の頭にあった鑑賞教育の意義や役割、或いは「鑑賞対象として工芸は特殊?」といった先入観を、具体的に考え直す契機になったように思います。また「没入感」と「視点の共有」という点で、手段としてのオンライン対話鑑賞の有効性も感じました。