小学生対象

グループワーク

中根グループ/渡邉グループ

中根グループ

対話による鑑賞体験と見方・考え方の変容
ファシリテーター
中根 誠一(東大和市立第十小学校 主任教諭)
受講者
10名(小学校教諭6名、指導主事1名、学芸員3名)
課題作品
ニコラ・ランクレ《眠る羊飼女》1730年頃
ユベール・ロベール《モンテ・カヴァッロの巨像と聖堂の見える空想のローマ景観》1786年、
同《マルクス・アウレリウス騎馬像、トラヤヌス記念柱、神殿の見える空想のローマ景観》1786年
ヒリス・ファンコーニンクスロー《「パリスの審判」が表された山岳風景》16世紀末-17世紀初頭
アンゲリカ・カウフマン《パリスを戦場へと誘うヘクトール》1770年代
活動内容
  1. GIGAスクール構想による図画工作科 美術鑑賞活動におけるICTの活用 実践例の紹介(参考文献:「音楽、図画工作科、美術、工芸、書道の指導におけるICTの活用について」)
  2. 美術館連携授業の事前・事後の取組について
  3. VRマップ(THETA.biz)の活用による「鑑賞マナー学習」と「振り返り活動」について
  4. 「対話による鑑賞」紹介と質疑応答(受講者を対象にファシリテーターが実演)
  5. 10名を3グループに編成、課題作品の選定
  6. ARアプリ「マチアルキ(東京書籍)」やYouTube限定公開映像資料等を活用した実践事例紹介
  7. 「対話による鑑賞」の内容検討
  8. グループ毎の発表と質疑応答
  9. 一人一言、感想発表

対話による鑑賞で扱う美術作品の検討

対話による鑑賞の内容検討

対話による鑑賞の模擬授業
感想

平成30年度に本研修に参加させていただき、令和2年度には15周年記念シンポジウムで実践事例発表の機会をいただきました。これまで貴重な機会をいただいたからこそ、少しでも現場の実践のお役に立てればと思い、精一杯、ファシリテーターを努めさせていただきました。初めてのグループ担当で至らない点が多かったと思いますがご容赦願えたらと存じます。グループワークでは、受講者の皆様が非常に熱心に課題に取り組んでいただいたこともあり、充実した時間になったと実感しております。今後、ご一緒したグループの皆さんと充実した美術館連携授業を実践していくのが楽しみです。この度は、受講者の皆様を始め、ファシリテーター補助者、スタッフ、インターン等の皆様にたくさんお世話になりました。貴重な学びの機会をいただいたこと感謝申し上げます。(中根 誠一)


渡邉グループ 

見方の更新、主体的・探求的美術鑑賞
ファシリテーター
渡邉 美香(大阪教育大学教育学部 准教授)
受講者
8名(小学校教諭4名、特別支援学校教諭1名、学芸員3名)
課題作品
ヨース・ファン・クレーフェ《三連祭壇画:キリスト磔刑》16世紀前半
ヤコポ・デル・セッライオ《奉納祭壇画:聖三位一体、聖母マリア、聖ヨハネと寄進者》1480-85年頃
活動内容
  1. グループワークのねらい「自分自身の経験とつながる鑑賞・調べることで深まる鑑賞」を知る。
  2. すべての作品を通しで見て、気になった1作品を紹介する。自己紹介し、小学生を対象とした鑑賞活動で大切にしていることを話す。
  3. クレーフェの《祭壇画》で対話型鑑賞を行なう。2枚目のセッライオの《磔刑図》に前作を見た経験を生かし比較鑑賞する。
  4. 作品に共通し描かれる髑髏や記号など、謎を探る。謎について図書やICTを活用し調べる。調べたことをもとに、選択肢のあるクイズを考える。
  5. 小学校の鑑賞授業で取り上げてみたい作品を、「比較」をキーワードに2枚以上選択する。選んだ作品をもとに鑑賞題材案を考え発表する。(ペアで実施)

対話型鑑賞の様子

クイズの発表

題材案の作成
感想

キリストの受難というテーマ展示は、受講者には親しみがなく、ワーク開始前には不安な様子も見られました。 しかし、作品との対話を通して不安の要因となる謎の所在を明確化し、謎に対して自ら探求する行程を経ることで、作品への興味を広げ、主体的に作品に向き合う体験をしました。 先入観に振り回されず、自らの経験から知識を得、見方を更新する面白さは、宗教画に限らずすべての作品鑑賞で生かされると思います。 日頃から鑑賞活動に熱心に取り組まれている皆さんの意欲的な姿勢が研修を豊かにして下さいました。感謝いたします。(渡邉 美香)