アンケート集計

美術館/学校と連携した鑑賞教育のうち特に、
①鑑賞作品の選定基準について

小学校教諭

  • 藤城清治の作品+借りぐらしのアリエッティ…小人という共通のテーマで選定。(新潟県)
  • 川崎市にゆかりのある岡本太郎氏が寄贈した作品がある川崎市岡本太郎美術館では、地域の美術館として氏の作品(絵画・立体など)を鑑賞作品として選定している。(神奈川県)
  • 子どもたちが欲しているもの。参考作品として紹介した作品の中で興味を示した作品・や作家。地域の美術館などの常設展や企画展で刺激になるであろうもの。(静岡県)
  • 福祉教育の授業も兼ねて、アールブリュットの作品について学芸員の方から話を聞くため、夏休みに子どもたちが食いつきそうな作品を一緒に選んだ。形が面白いもの、見たときにいろいろな発見があり、いろいろな想像ができるもの、作者の人となりが感じられるものを選んだ。(滋賀県)
  • 私自身が初めて連れて行ったときは、日程と場所重視で、作品についてはあとから勉強しました。2回目は、日程もありましたが、作品重視で、北斎展にいきました。 3回目は、校外学習の別の場所が先に決まり、近くにあるミュージアムにせっかくだからと連れて行きました。(大阪府)
  • 主に地域に縁のある、複数の作家から作品を選定した。(兵庫県)
  • 子どもたちが、物語を思い浮かべやすい作品。音の聞こえてくるような作品。(徳島県)

中学校教諭

  • 野外彫刻作品の観察研修であったので、環境の中での作品像を基本とした(北海道)
  • 中学生の関心意欲につながるだろう企画展(ジパング展)を指導教諭が選び、美術館の学芸員と協力して美術部員を対象に対話型鑑賞活動を行った。鑑賞作品の選定については当該美術館の学芸員が行った。(秋田県)
  • 大きく複数で見やすい作品を選んでいます。(宮城県)
  • 鑑賞作品の選定基準は、その時々で、たとえばH26に仙台にはゴッホのひまわりがやってきたので、13枚のひまわりの鑑賞を全学年共通に行った。H27年6/1現在、メデアテークにガウデイがきているので、全学年共通にガウデイを学習した。(宮城県)
  • 油彩画、銅版画、木版画等、表現方法の異なる作品を選んだ(群馬県)
  • 手紙を読んでいる女性像で何をしているとこかイメージをふくらますことができるような作品を選んだ(石川県)
  • 年間指導計画に沿った作品選定。2年後期なら修学旅行に関連付けて日本美術を選定するなど。(静岡県)
  • 若い生徒たちに考えやすい切り口の展覧会であったため。静岡市立美術館にて、森村昌弘氏の展覧会が会った折、高校生であるが、氏の制作の軌跡を辿る企画であり、これから美術を学ぼうとする生徒たちには、氏の作品を自分も一人の作家としての意識の元に追体験することができると考えたから。さらに、学芸員として本校の卒業生がおり、鑑賞のポイントを解説していただきながら鑑賞出来た(静岡県)
  • 地域に関わる作品(滋賀県)
  • 作品はあらかじめリストを見せてもらい、選んだ。2点だったので、郷土の作家の木版画と抽象画の油彩を選んだ。ストーリー性のあるもの、色や形などに特徴があるものを選んだ(香川県)
  • 「山を行く」は「生きること」を主題としているため、自分の状況の悩みや困り、進みたい道や挑戦したいことと結びつけた鑑賞が可能であり、中学2年生が学習するのに適していたため(大分県)
  • 子どもの多様な意見が引き出しやすいモチーフか。(沖縄県)

学芸員

  • 鑑賞作品は、そのときに開催している展覧会の作品をひととおり観てもらっている。(秋田県)
  • 学校の生徒への鑑賞教育を行う際は、必ず展示室全体を見ることと、一つの作品を丁寧に見ることとを両方体験してもらう。よく見る作品を選ぶときは、「物語性」だけでなく造形や技法に特徴のある作品も取り入れるようにしている。(宮城県)
  • (1)展示してある作品(2)小学生から高校生まで年齢層にあわせて。(3)学校側の要望(教育目標などにあわせて)。(福島県)
  • 学校が美術館に来館できるスケジュールを優先するため、来館時に開催している展覧会ごとに、効果的な鑑賞教室となるよう内容を検討している。(栃木県)
  • 美術館での鑑賞は施設の管理上、展示中の作品となってしまうが、年齢に応じた鑑賞の流れを検討し選定、もしくは会場内で子どもたちに選ばせた。(千葉県)
  • 鑑賞作品は、常設展示室を中心に、時間がある場合は特別展示室も鑑賞している。(山梨県)
  • 基本的には、事前に担当教諭と相談しながら学年に応じた作品の選定にあたっている。しかしながら、学校によっては当方に丸投げの場合もある。その場合には、当方から積極的に提案するように心掛けている。(東京都)
  • 選定基準は、複数人数で一緒に鑑賞できる大型の作品、生徒が発話しやすい具象、もしくは具象と抽象の両方の要素を含む作品、展示室で危険の少ない箇所に展示してある作品を選択しています。(東京都)
  • 自館で展示または所蔵する作品>テーマや目的に見合った作品>他館所蔵作品(長野県)
  • 鑑賞作品の選択では、「表現」の同じ領域の音楽や体育と結びつくような、そして実際に体を動かしたくなりたくなるような作品を選び、言葉としてしゃべるのはもちろん、身体をとおした体験的な鑑賞を心がけている。(富山県)
  • 絵画(油彩・日本画)・彫刻・浮世絵など15点前後。鑑賞授業最初に行う、音やせりふを感じてもらうアートゲームや、対話型鑑賞において子どもたちの意見の出やすい作品などを考慮し、作品を選定。(石川県)
  • 「紅白梅図屏風」は、日本の装飾美術の代表作であり「わが国の美術」を学ぶ上で有意であること。静岡県で唯一の絵画の国宝であり、「静岡県ならでは」の授業となること。具象性と抽象性が高度に調和した作品であり、さまざまな想像をめぐらせやすい作品であるため。尾形光琳は、絵画以外にも硯箱や染織など身の回りを「かざる」作品の意匠を手がけており、「生活を美しく豊かにする造形」についての関心を高められるため(静岡県)
  • 多様な受容ができる作品(静岡県)
  • 細部が充実した作品(じっくり観察するのに向いている、発見する喜びが強く対話による鑑賞で使い易い)。画材など材料に特徴のある作品(日本画、油絵具に砂をまぜているなど)美術館会議室での美術作家を招いての制作ワークショップ(鉛筆デッサン、日本画)、期間は1日~6日間ほど。学校での鑑賞授業(ファッションと美術、画家の自画像、風景画など)。(静岡県)
  • 作品はサイズが大きく、作家らしさが出ている事、描かれているものから会話が進む作品を選定。(愛知県)
  • 館の目玉となる作品、想像力を働かせる余地のある作品、地元にゆかりの深い作品。(京都府)
  • 鑑賞するのは、年間6回開催している企画展です。学校ごと来館する日程は異なりますので、その時開催されている展覧会の展示作品の中から、担当者が独自に2~3点を選び、子どもたちの目線で説明を行っています。例年、年度当初の小学校の校長会などで、美術館での活動内容を説明しています。(大阪府)
  • 学芸員の立場から、子どもが興味を持ちそうな作品を選んで、対話型鑑賞を行うか、ワークシートをやってもらう。よく見て欲しい作品、新しい発見がありそうな作品を中心に選んでいる。(広島県)
  • 当館所蔵の作品であれば、本物を学校に持ち込むことは出来なくても、画質の良いデーターを使って実際の作品のサイズに近いサイズの物をプリントアウトし、パネルに貼って授業用に提供できる。そういった理由で、授業のねらいにあった作品を、所蔵作品の中から複数選択して、担当教員と授業の流れを相談し、教材として提供している。場合によってはファシリテーターとして参加する。(鳥取県)
  • 当館のスクールツアーでは鑑賞はグループ毎にボランティアが実施しています。作品はボランティアが選択します。但し、学校側から要望があった場合は、先生と一緒に作品を決定し、鑑賞をすることもあります。(福岡県)
  • コレクション展や、企画展で展示中の作品から、展覧会のテーマに沿った作品を選択する(福岡県)
  • 郷土作家。あえて答えが導きにくい?(大人の規準かもしれません)様々な捉えができる作品。発達段階に応じた、共通事項に基づいた作品。複数展示が可能な場合、素材や色形で比較しやすい作品。(宮崎県)
  • 郷土作家1、油彩作品1、水彩作品1、立体作品1(宮崎県)

指導主事

  • 校費で購入した教材の図版を活用した。(滋賀県)
  • 特別展示などのタイムリー、ホットな企画展を取り入れる。(沖縄県)

その他

  • 対象作品はその時に美術館の常設展示で陳列されていた全ての作品(事前に教諭がカリキュラムを作ることが可能だったため)。(東京都)
  • 課外活動の日程が決まっており、その時に行われている展覧会だった。(石川県)
  • 静岡県立美術館「モナリザの大変身」の展覧会と指導者のための美術鑑賞教育のためのワークショップに参加して、子どもたちの興味を引きそうな鑑賞教育ができるのではないかと考えた。(静岡県)