
画像:「NCAR×AWARE 女性アーティストリサーチフェローシップ」採択フェロー発表会にて(東京日仏学院、4月15日)、左より小田原のどか氏、山田裕理氏(Photo: Madoka Yasuda)
国立アートリサーチセンターと AWARE: Archives of Women Artists, Research and Exhibitions, Centre Pompidou は、 2025年12月に共同で開始した「NCAR×AWARE 女性アーティストリサーチフェローシップ」において、2026年度(第1回)フェローシップ採択者を小田原のどか氏、山田裕理氏に決定いたしました。採択されたフェローおよび研究課題の公表は、2026年4月15日に東京日仏学院にて行われました。
小田原氏は、岡山出身の女性彫刻家である久原濤子(1906~1994 年)、太田嘉女野(1903~1986 年)の二名を研究対象とし、これまで周縁化されてきた近代日本における女性彫刻家の活動に光を当てるとともに、彼女たちが直面した制度的・社会的制約に着目することで、地域固有の歴史とともに美術史を再検証します。
山田氏は、 近現代の日本女性写真家に関する展覧会・文献調査を通じて、その評価および研究の現状を整理するとともに、島隆(1823~1899)、塙芳埜(1848~1884)、山本古登女(生没年不詳)を主要事例とした一次資料の研究を通して、明治期を中心に昭和前期までに活動した女性写真家の写真実践が近代日本の写真文化の形成に果たした役割を明らかにします。
本フェローシップは、日本国内に居住または滞在する研究者・キュレーター等を対象とし、視覚芸術分野で活躍し、日本に所縁を有する女性アーティスト(自身の性認識が女性又はノンバイナリーであるアーティスト)に関する研究を支援するものです。一年間の研究期間中、上限5,000ユーロの研究費を支給します。研究成果は、NCARおよび AWARE 公式ウェブサイトにて 2027年夏以降に公開を予定しています。
本フェローシップを通じて NCAR と AWARE は、日本における女性アーティスト研究のさらなる活性化を図るとともに、国際的な研究基盤の形成および文化的多様性の推進に寄与してまいります。
プロフィール
小田原のどか(おだわらのどか)
彫刻家、評論家。版元主宰。芸術学博士。1985 年宮城県生。主な個展に、国際芸術センター青森 [ACAC]、つなぎ美術館(熊本)、塩竈市杉村惇美術館など。令和 6 年宮城県芸術選奨新人賞を 受賞。主な単著に『近代を彫刻/超克する』(講談社)『モニュメント原論:思想的課題としての彫刻』(青土社)、編著に『この国(近代日本)の芸術:〈日本美術史〉を脱帝国主義化する』(山 本浩貴との共編、月曜社)など。表現の現場調査団メンバー、横浜国立大学教員。
山田裕理(やまだゆり)
東京都写真美術館学芸員。専門分野は近現代写真史。IZU PHOTO MUSEUM 学芸員を経て、現職。主な企画展に「フィオナ・タン アセント」(2016)、「記憶は地に沁み、風を越え 日本の新進作家 vol.18」(2021)、「本橋成一とロベール・ドアノー 交差する物語」(2023)、「ルイジ・ ギッリ 終わらない風景」(2025)ほか、「愛について アジアン・コンテンポラリー」(2018) を笠原美智子氏と共同企画、「リバーシブルな未来 日本・オーストラリアの現代写真」(2021) をナタリー・キング氏と共同企画。
2026年度 選考委員一覧
| 天田 万理奈 | AWARE日本代表、キュレーター |
| 大谷 省吾 | NCAR作品活用促進グループリーダー東京国立近代美術館副館長 |
| 小勝 禮子 | 美術史・美術批評 |
| 建畠 晢 | 草間彌生美術館長 |
| 仲町 啓子 | 実践女子大学名誉教授、秋田県立近代美術館特任館長 |
| 水野 僚子 | 日本女子大学国際文化学部国際文化学科 准教授 |
※敬称略・五十音順、所属先は選考委員会実施時点